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ビジネスシーンで見聞きすることの多い「繁忙期」という言葉。言葉の意味や使い方は知っているものの、対義語や言い換え表現を問われると、すぐには思いつかない方も多いだろう。
本記事では、繁忙期の詳しい意味をはじめ対義語や言い換え表現を紹介する。業界ごとの繁忙期についても解説するので、旅行や引っ越しなど、繁忙期によって価格が異なるサービスの利用を検討している方はぜひ参考にしてほしい。
繫忙期とは
まずは繁忙期の意味から解説する。類義語や対義語も確認して、語彙を広げてほしい。
■繫忙期の意味
繁忙期は組織において行うべき作業が増え、特に忙しくなる時期を指す言葉。繁忙期は業種・業界によって異なり、一般的には各ビジネスの需要が高まる時期が繁忙期にあたる。
繁忙期は毎年同時期に訪れるケースが多く、ある程度の目途が立てられるため、繁忙期に向けたシフトの変更や人材採用といった施策をとる組織も多い。
■繫忙期の対義語は「閑散期」
繁忙期の対義語は閑散期。繁忙期とは反対に、顧客や注文が減少して業務量が少なくなる時期を指す。季節性の商品を扱っていて、商材の需要が低い時期は閑散期になるケースが多い。
また、観光地の混み具合を表す際にも使われる言葉で、気温や天気によって客足が変わる旅行業界などでは頻繁に使われる表現だ。
■繁忙期の言い換え表現
繁忙期を言い換えて表現する場合は、以下の言葉を使ってみよう。
・書き入れ時
書き入れ時はビジネスで商品やサービスの売れ行きが良くなる時期を指す言葉で、繁忙期とほとんど同義だ。取引やキャッシュフローを記録する「帳簿の書き入れが忙しくなる時期」が由来だ。
「お客さんをたくさん入れる」意味で想像すると「掻き入れ時」と表記したくなるが、この表現は誤りなので注意が必要である。
・稼ぎ時
稼ぎ時も商品やサービスの売れ行きが良く、業績がアップする時期を指す言葉。繁忙期や書き入れ時よりも直接的に金銭的な利益をイメージさせるため、顧客や取引先に対して使う際には注意したほうがいい。
■繁忙期と間違えやすい表現
ここからは、繁忙期と間違えやすい表現を紹介する。しっかり意味を確認し、繁忙期と混同しないよう注意してほしい。
・繁盛期
繁盛期はビジネスにおける取引が盛んで、繁盛している時期を指す言葉。繁盛期は「商売の売り上げが高い時期」のニュアンスが強く、繁忙期は「業務が忙しくなる時期」の意味合いが強い。
従業員の忙しさに着目する場合は繫忙期、組織の売上に着目する場合は繫盛期と使い分けるのが良いだろう。
・最盛期
最盛期は組織や個人の最も勢いがある時期を指す言葉。繁忙期が月・年単位で定期的にやってくるのに対し、最盛期は基本的に歴史上で一回。最盛期が数回あるケースも考えられるが、頻繁に訪れるものでないことは覚えておこう。
繁忙期や繁盛期とは異なり、忙しさ以外の表現にも使えるため、ビジネスシーン以外でも利用される機会が多い。
業界ごとの繁忙期
最後に、業界ごとの繁忙期を紹介しよう。各業界の繁忙期がいつであるか知っておけば、従業員として働く場合も、顧客として利用する場合も、クライアントとして関わる場合も役立つはずだ。
■不動産業界
不動産業界の繁忙期は1月~3月。多くの人が新生活を始める4月に向けて、住まい探しの準備を始める時期であることが繁忙期になる理由だ。
その他にも7月~8月の夏場は空調に関する問い合わせ対応、9月~10月は転勤にあたっての住居探しと、繁忙期にあたる時期は多い。
■引っ越し業界
引っ越し業界の繁忙期は3月~4月や9月~10月。不動産業界と同様、新生活を始める人や転勤をする人が多いシーズンが繁忙期となっている。
■アパレル業界
アパレル業界の繁忙期は3月~5月、7月、9月~11月。季節が移り変わる衣替えの時期がアパレル業界の書き入れ時となるため、繁忙期も数回訪れる。また、年末年始をはじめとしたセールやバーゲンを行う時期も繁忙期といえるだろう。
■飲食業界
飲食業界の繁忙期は3月~4月や12月~1月。歓送迎会や納会、忘年会といった大勢で食事をする機会が増える時期は、飲食業界の書き入れ時となる。
■旅行業界
旅行業界の繁忙期は長期休みの時期で、年末年始、春休み、夏休み、ゴールデンウィークなどが繁忙期となる。
閑散期もはっきりしており、仕事や新生活が始まる正月明けやゴールデンウィーク前後、梅雨の時期などは旅行する人が少ないため、閑散期となる。
■経理
業界ではなく業種という括りにはなるが、経理系の業務には明確な繁忙期がある。決算月や株主総会のある3月~6月、年末調整が行われる12月~1月は多くの企業で経理の繫忙期となるだろう。
また、各月の月初・月末は経理処理が増えるため、月単位で繁忙期が訪れる業種ともいえる。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部