結婚後は新たな姓で働く女性の割合が半数以上
結婚経験のある人に、仕事で使う姓を聞くと、「改姓後の新姓を使う」の回答が54.9%と過半数の結果に。
「手続きの煩雑さ」「新しい名字を覚えてもらう負担をかけたくない」「社内でプライベートな情報を共有したくない」などの理由から旧姓で働くことを希望する人が多くいるものの、実際には「新姓で働くことを会社に強制される」などの要因もあり、新姓を使って働く方が割合としては大きい結果になった。
一方で、未婚の方に仕事で使いたい姓を聞くと、「改姓しても旧姓で働きたい」の回答が51.5%と過半数を超え、既婚者の実態と未婚者の希望の回答結果が逆転していることがわかった。また、結婚後も「改姓をしたくない」の回答が24.4%と4人に1人が実際の改姓も希望しておらず、それを含むと75.9%と4人に3人が元の自分の姓で仕事をしたいと考えていることがわかった。
新姓で働く不安は「変更の手続きが面倒」が半数以上でトップ
新姓で働くことに対する不安として、最も多かった回答は「変更の手続きが面倒」で、54.6%を占めトップに。ついで、「旧姓と新姓の使い分け」が26.6%の結果に。日常生活における不便を理由にする回答の割合が大きく占めている。一方で、アイデンティティの喪失やキャリアの分断など、マインド面の要素を上げる回答も一定数存在していた。
新姓で働くことに対する具体的な不安や不都合に「営業や企画など、外部の方とやり取りをさせていただくことが多かったので、姓を変えることによってまた1から名前を覚えていただかないといけないと思っていた」「今まで名前を覚えていただいたことが無駄になるようで寂しさがある」「今まで仕事を一緒にしてきた人たちに新姓を覚えてもらうことにも違和感を感じる」「改姓の話をすると仕事にプライベートを持ち込むようで、自分の気持ち的に居心地が悪くなりそう」」「新しい姓にはこれまで積み上がってきた自分というものがなくなってしまう感じがする」など、キャリアにおける問題や、個人のアイデンティティに紐づく声が多く見られた。
75.3%が選択的夫婦別姓に賛同。それぞれにとっての理想を自由に選択できる社会を希望する声が多く集まった
選択的夫婦別姓について賛成かを聞くと、「賛成」の回答は75.3%で4人に1人が選択的夫婦別姓を支持する結果に。「どちらでもない」の回答は22.3%、「反対」の回答は2.4%という結果になった。
また、「世界の中で夫婦同姓制度があるのは日本だけという事実を知っているか」を聞くと、「知っていた」の回答は34.3%と3人に1人という結果となった。姓にまつわる社会課題について認識していない人・興味を持っていない人が一定数いることが明らかになった。
<調査概要>
調査方法:SHE受講生向けアンケート調査
調査対象:SHE受講生 女性 (20~24歳 8.9%, 25~29歳 36.4%, 30~34歳 30.1%, 35~39歳 16.5%, 40歳以上 8%)
回答者数:n=670
調査期間:2024年3月26日(火)〜3月27日(水)
調査内容分析:SHE株式会社
※調査結果は小数点以下第2位を四捨五入している。
出典元:SHE株式会社 調べ
構成/こじへい