申請書の提出は “e-Tax” で手軽に自宅からが定番化
申請書の提出方法では、76.7%が「電子申告(e-Tax)」を利用したと回答。昨年のアンケートでも7割強が税務署に行くことなく自宅から手軽に提出できる”e-Tax”を利用したという結果となっており、確定申告の電子化が浸透していることが判明した。
■確定申告でのマイナポータル連携の利用は約半数
※マイナポータル経由で源泉徴収票や、医療費・ふるさと納税などの控除データを一括取得し、自動で申告書に入力できる機能
令和5年分の確定申告から、給与所得の源泉徴収票、国民年金基金掛金、iDeCo、小規模企業共済掛金がマイナポータル連携による申告書自動入力の対象となった。
そこでマイナポータル連携の利用について今年新たに尋ねたところ、48.2%が「利用した」1.3%が「利用する予定」50.4%が「利用しなかった」と回答し、利用者と非利用者が半数ずつという結果となった。
「利用しなかった」理由については、40.1%が「事前準備が手間だった」、17.4%が「マイナンバーカードを持っていない」、15.7%が「マイナポータル連携を知らなかった」、14.9%が「申請内容がマイナポータル連携の対象外だった」と回答。
事前準備の手間でマイナポータルの申請を約半数が利用をしなかったが、利用しなかった理由を鑑みると、連携の事前準備の簡素化や、マイナンバーカードの普及率向上などの影響により、利用率は増加すると考えられる。
■確定申告者の多くがインボイス対応に困惑
確定申告をする上での苦労や困りごとについての問いでは、34%が「作業時間の確保」でトップに。次いで31.7%が「領収書やインボイスの保存・保管」に、28.6%が「税法の理解」、24.9%が「会計ソフトの使い方」となった。
昨年のアンケートでは、「特に苦労したり困ったりしたことはなかった」と回答した人が3割近くいたが、今年は約18%に減少した。
これは、インボイス制度の施行により、インボイスの保存や管理の手間が新たな作業として発生したことが要因だと考えられる。
実際にインボイス対応による負担に関する具体的なエピソードが多く寄せられた。
・インボイス対応により、消費税申告などの複数な手続きと、慣れない会計処理に時間がかかった。
・インボイス制度についての理解にかけた時間、実際の作業にかかった時間を実務に費やすことができていればもっと生産性をあげられたと感じる。
・インボイス初年度であったため税法の理解に時間がかかった。
・インボイスで課税業者になったため、これまでやっていなかった所得税に関する項目が増え、調べることや基準期間の課税額を計算する等、わからないことだらけでとても大変だった。
・インボイス対応について、内容や漏れがないか等の確認が大変だった。
e-Taxの浸透などのデジタル化により申告の手間は年々改善されているが、法改正への対応など確定申告は今後も少なからず苦労を強いられる作業である。
もし今年の確定申告への対応が大変だったと感じている人は、来年こそ早めに対処する必要があるだろう。
調査概要
調査機関/自社調査(税理士ドットコム一般会員を対象)
調査方法/税理士ドットコムに登録のある個人事業主を対象にウェブアンケートを実施
調査対象/税理士ドットコムに登録のある個人事業主482名
調査期間/2024年3月18日〜3月22日
関連情報
https://www.bengo4.com/corporate/
構成/清水眞希