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パラリンピック男子テコンドー代表・田中光哉選手インタビュー、パリ大会での得意技「カウンター前足ヤンバル蹴り」に期待

2024.04.11

パラテコンドーの魅力はパラスポーツにはない「激しさ」

東京パラリンピックで初めて正式種目になったテコンドー。当時は国内の競技人数が10名程度と言われていたが、東京パラリンピックを経て変化はあったのだろうか。

田中:それこそ僕が始めた7年前からはずいぶんと変わっています。少しずつ認知もされてきていると思いますし、選手もパラスポーツの中では増えてきている。それでもまだパラリンピックを目指すような選手は20~30人程度。まだまだ選手層は薄い。

ただ、東京パラリンピックが終わったころから子どもの競技者も増えてきているので、今後、もっと選手層、レベル共に上がってくることには期待をしています。

――パラスポーツの中で、田中選手がテコンドーを選んだのはどのような理由からでしょう

田中:激しさがあるところですね(笑)。パラスポーツって全体的に優しさが感じられる側面があります。そんな中、格闘技はお互いに‶やる〟か‶やられる〟かの世界。あんまりパラスポーツぽくないというか、激しさがある。

車イスでぶつかり合う競技はありますが、生身でぶつかり合うスポーツは多くない。こんな競技があるんだと知ってもらえると、パラスポーツのイメージも変わって楽しめる人もいるかなと思っています。

――田中選手はこれまで他のスポーツをしていたのですか

田中:剣道とサッカーをしていました。サッカーで培った足技が役に立ったのかと聞かれることもありますが、正直、全くありません(笑)。

テコンドーはサッカーより足の指の使い方が繊細です。テコンドーは裸足でする競技なので、地面を踏ん張る際に足の指の力で地面を捉える必要があるんです。「足の指」は常に意識しています。

テコンドー選手の足指力はすごい

得意技「カウンター前足ヤンバル蹴り」に期待!

――パラテコンドーの見どころはどういうところにあるのでしょうか

田中:先ほども話しましたが、いい意味でパラスポーツらしくない“激しさ”はぜひ注億してほしいですね。

パラスポーツ特有という点で言えば、障がいが選手それぞれで違います。腕の形が違うので、攻め方・守り方も変わってくる。自分の弱点はどのようにカバーするのがいいのかなど、一人一人戦略を持っているのは面白い点だと思います。

同時に、対戦相手の研究も欠かせない。「この選手は右腕がないのでこの蹴りは、こう捌いてくるはず。となると……」という風に、対戦相手の障がいに合わせて試合の組み立て方も変わってくる。そこもパラテコンドーの魅力ですね。

――田中選手はどのようなスタイルで戦うのが得意なのでしょう

田中:自分から積極的に攻め込むことが多い。あと「熱くなり過ぎない」ところがあるので冷静な試合運びができるところでしょうか。

――得意技などは?

田中:「カウンター前足ヤンバル蹴り」という技です。カウンターで前足の2段蹴りをする。相手の攻撃を捌きながら、攻撃をする。試合でもチャンスがあれば決めてみますので、ぜひパリパラリンピックを楽しみにしていてください!

取材・文/峯亮佑

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