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マスタ管理の「マスタ」って何?覚えておきたい業務における必要性とメリット

2024.07.08

マスタには「業務にまつわる基礎的なデータ」の意味があり、それらのデータを管理することを「マスタ管理」と呼ぶ。

膨大なデータを扱う企業においてはもはやマストとなる体制の一つだが、必要性やメリット、デメリットを理解しているだろうか。

本記事では、マスタの意味を含め、マスタ管理についてわかりやすく解説していく。実際の管理方法を知りたい人も、ぜひチェックしてほしい。

マスタの意味とは

マスタとは、前述のとおり「業務で取り扱う基礎的なデータ」といった意味だ。

「マスタデータ」の略語であり、「前もってシステムに入れておくべきデータ」と「システムを使いながら蓄積されていくデータ」の2つで構成される。

これらは会社や組織にとって基本的には重要なデータであり、通常そのデータはごく一部の人間しか操作・管理できない。ちなみに、マスタを管理することを「マスタ管理」と呼ぶ。

また、データの種類によって、「商品マスタ」や「顧客マスタ」、「社員マスタ」、「給与マスタ」などに分けられる。

例えば、POSレジのシステムに入っているのが商品マスタで、店舗のパソコンなどの顧客データシステムに登録されているのが顧客マスタだ。

マスタ管理はなぜ必要?

マスタ管理の必要性は、データの膨大化と各企業の人材不足に深く関係している。近年、マスタ管理がなぜこれほどまでに叫ばれているのか。代表的な2つの理由を解説する。

■ 膨大なデータを正しく管理するため

マスタ管理が必要な理由として、まずデータの量やその種類の多さが挙げられる。

スマホやパソコン、タブレットといったデジタル機器の普及に加え、テレワークのためのオンラインツールの複雑化などにより、以前にもましてやり取りするデータは膨大なものとなった。これらのデータが各所に散らばったままだと、探し当てるのに時間がかかるだけでなく、データの重複や不足、挙句の果てには企業としての統一が図れなくなる事態にも陥りかねない。

失敗の例を挙げるとすると、複数のECサイトでショップを展開している企業が、割り振られているJANコードを無視して、好き放題に商品を出品・売買したらどうだろう。在庫管理に失敗し、お金を払った顧客に商品が届かないケースも出てくるに違いない。

データの膨大化から逃れられない現代だからこそ、企業全体のリスクを軽減するためにもマスタ管理が必要不可欠なのだ。

■ 業務の属人化を防ぎ、作業効率を上げるため

マスタ管理は、業務の属人化を防ぐうえでも一役買ってくれる。業務の属人化とは、所属している特定の人しか業務の内容を把握できておらず、全体共有できていないことを指す。属人化することで担当者によって品質に違いが出たり、担当者不在の時には対応不可能になったりするのが問題だ。

年々少子高齢化が進む日本において、人材不足による属人化は避けられないのが現状である。きちんとマスタ管理されていれば、担当者に限らず業務が均等に進められて、トラブルも事前に食い止められるだろう。

マスタ管理をするメリット

マスタ管理を行うメリットは、大きく分けて「業務の効率化」「データ分析の精度向上」「セキュリティリスクの軽減」の3つだ。一つずつ解説していく。

■ 業務の効率化

マスタ管理をする最大のメリットと言えるのが、業務を効率化できることだ。特に商品のデータ量や種類が多くなりやすい大型スーパーを例にとると、ほぼすべての商品にバーコードがつけられていることで、業務の一つである会計作業はスムーズに進む。もし値段を手打ちする、もしくは売り場まで確認しに行くとなると、業務効率が落ちることは目に見えている。

先述の通り、膨大なデータを整理整頓できて、業務の属人化を防げることも、結果的に業務の効率を上げることにつながる。業務をスムーズに回し、さらに後々のコスパやタイパも良くしてくれるのが、マスタ管理なのだ。

■ データ分析の精度が上がる

精度の高いデータ分析を行えるようになることも、マスタ管理のメリットの一つである。各部門・店舗のデータがきちんとタスク管理されていると、データ同士が紐づき、一つずつ存在している状態より広く深く分析が可能だ。反対に、タスク管理されていないデータを分析すると、偏りができてしまい高精度とは言えない結果となるだろう。

また、出店数の多い企業においては、データ分析の精度向上は経営方針を決定する要ともなる。企業の大きな成長へつながるのも、マスタ管理のもたらすメリットだ。

■ セキュリティリスクが下がる

マスタ管理を徹底すれば、セキュリティリスクを下げられるといったメリットも発生する。マスタデータの名の通り、社内の人物のみ管理できるようにしていれば、データの漏洩・改ざんされるリスクはそこまで高くはない。

一方、タスク管理されず、誰でも閲覧・操作できる状態となっていれば、データが不正に使用される確率が大幅に向上してしまうのだ。

扱う業務データの中には、外部に漏らしてはいけない機密情報も少なくない。タスク管理は大切な情報を守るためのセキュリティを強化し、企業の信頼をも保ってくれると言える。

マスタ管理のデメリット

マスタ管理を行うメリットもあれば、デメリットもある。以下では、「コストと工数」「マスタデータの棚卸し」における2つのデメリットを解説していく。

■ コストと工数がかかる

マスタ管理のために、コストと工数がかかることがデメリットの一つ目だ。

マスタ管理とひと口に言っても、まず散らばったデータを収集して現状を分析し、管理の目的や要件を定義するなど、幾つもの工程を経なければならない。管理し始めたとしても、途中には修正・調整が必要な可能性が高く、急速に完成させられるものではないのだ。

管理できる体制が整ってしまえば、これらは大幅に軽減できるのだが、やはり準備には手間とそれにかかる人件費・開発費もかかってしまうと覚悟しておこう。

■ マスタデータの棚卸しが必要

商品マスタを管理する場合には、レジ周りのトラブルが起こりかねないのもデメリットである。

店舗では定期的な棚卸しがあるように、マスタにも同様の作業が必要となる。つまり、新しい商品が入荷するごとに、商品マスタの登録および削除が必要なのだ。

マスタ管理が行われていても、もし新商品が登録されていないとなると、会計に待ち時間が発生して顧客トラブルにつながってしまう。棚卸しに伴う度々の登録が必要なうえに、トラブル発生のリスクが伴うことには注意しなければならない。

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