連載/山田美保子の「ギョーカイ裏トレンド図鑑」
テレビ局のメイク室に常備されている基礎化粧品やメイク道具などの中に、利用するタレントたちの間で密かに情報共有されるモノというのがある。
局のメイク室にある〝不思議なヘアアイテム〟たち
ちなみにメイク室を利用するのは局アナや、お笑い芸人、若手のタレント、そして文化人ら。つまり専属のメイクさんが付かない人たちである。
そして、彼らの間で〝密かに〟利用されているのは頭髪にまつわるモノなのだ。たとえばウィッグやヘアピースの類。
「この女性文化人の頭のテッペンをもう少しボリュームアップしてさしあげたい」という局メイクさんが、もちろん当該文化人と相談のうえ、載せてくれるのだ。
テッペンをボリュームアップして、ふんわりした印象になれば小顔効果にもなる。出演の際には欠かせないテクニックと言えよう。
なぜか局のメイク室には、白髪をカバーするマスカラタイプの簡易毛染めや、業務用のストレートアイロン、さらには最近では美容院でもなかなか置いていないホットカーラーも常備されている。
よ~く見ると、ロゴが「Panasonic」ではなく「National」!! 物持ちがいい?いや、利用する人がほとんどいないから壊れない……というほうが正しいかもしれない。
メイク室で密かに話題の「ヘアシャンティアップ」とは?
HOMARE「ヘアシャンティアップ」ファイバー本体(税込3300円)
そんな中、「これは便利」「今すぐ自分で買いたい」という声が多いのが〝ふりかけタイプ〟のボリュームアップファイバー「ヘアシャンティアップ」だ。
もっともポピュラーな使われ方は、広くなってしまった分け目に〝ふりかけ〟るというもの。
これ、慣れるまでは、ふりかけ方が難しくて、ついかけすぎてしまうのだけれど、1~2度使えば、いい塩梅がわかってくる。
本当に不思議なのだが、パパッと、ふりかけただけで髪が自然にボリュームアップ。スプレー型のキャップを着ければ、より自然にボリュームアップすることができるが、筆者は逆に、ボトルのキャップを外して、直接パパッとふりかけたほうが、うまくボリュームアップできている気がする。
幸いにも、まだウィッグやヘアピースの必要がなく、髪の本数は年齢のわりには多いほう。でも、どんどん細くなっていく髪と、前述のように分け目が一昨年よりも昨年、昨年よりも今年のほうが広くなっていることが気になって気になって仕方がなかった。
それがこの「ヘアシャンティアップ」を愛用するようになってから、まるで増毛したかのように髪がふんわり見えるように……。あまりにも効果が素晴らしいので、先日2本目を購入してしまった。
色はブラック、ダークブラウン、ミディアムブラウン、グレーの4種。私はダークブラウンを愛用している。
ネットでも買えるのだが、ネットショッピングをあまりしないという年配の文化人は、局メイクさんに注文して手に入れている。
「ヘアシャンティアップ」、裏トレンドではあるがメイク室に出入りする人たちの間では大ヒット商品なのである。
文/山田美保子
1957年、東京生まれ。初等部から大学まで青山学院に学ぶ。ラジオ局のリポーターを経て放送作家として『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)他を担当。コラムニストとして月間40本の連載。テレビのコメンテーターや企業のマーケティングアドバイザーなども務めている。