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瞬間湯沸かし器のように急に怒り出す人っていますよね。
その怒りをぶつけられた側は、何に怒っているのかさえもわからず理不尽な思いを抱えたり、わかったとしても「なぜそんなことで」と疑問に思うことも多いでしょう。
すぐ怒る人と距離を置ける関係であれば問題ないですが、職場や生活の中のコミュニティの場においては難しいもの。そこで本記事では、すぐ怒る人の怒りに隠された心理、そして上手な付き合い方をご紹介します。
すぐ怒る人の怒りに隠された心理とは
怒りは人が持つ感情の1つです。もともと人間に備わった感情ではあるものの、すぐ怒る人がいる一方、温厚で怒ったところなんて見たことがないと言われる人もいます。すぐ怒る人はなぜその怒りを我慢できないのでしょうか。
怒りを我慢できない原因には、怒りの裏に隠された心理があります。ここではすぐ怒る人の心理を紐解いていきます。
1.「自分は正しい」という思い込み
すぐ怒る人には、自分の言動が絶対的に「正しい」という思い込みがあります。
自分が思う正しいことが、その人のすべての基準やルールになっています。そして、その基準やルールは絶対なのです。それに従わない人がいると自分を否定されたと思い、その人に怒りをぶつけてしまいます。
温厚な人でも自分の中に基準やルールを持っている人はいます。しかし、それを他人に押し付けたりはしません。この違いがすぐ怒る人と温厚な人の違いとなります。
2.自分の境遇に不満がある
仕事やプライベートなどで何かを我慢することは誰にでもあることです。例えば、希望する部署に配属されなかったり、先着何名というサービスに間に合わずに受けられなかったり。そんなときに、すぐ怒る人は「自分だけに悪いことが起こっている」という考えに至ります。不公平だと思い、その不遇に対する不満が怒りに変わってしまっているのです。
3.被害者意識がある
自分が思っているように物事がうまく進まなかったときに、自分ではなく他人のせいにする人も怒りやすいタイプです。
このタイプの人は被害者意識が強く、周囲に頼ることが当たり前になっています。周囲が自分が思う通りに進まないときに相手のせいにして怒りをぶつけるのです。
4.強いストレスに晒されている
人はストレスを抱えると、心の余裕がなくなっていきます。例えるとしたら、心というバケツにはもうこぼれそうなほどストレスという水が入った状態。そんな心の余裕がない状態のときに、自分の思い通りにならないことがほんの少しあるだけでもバケツの水はあふれ、それが怒りとして発散されます。
ストレスでイライラしている状態のときは、普段なら気にならないことも気になるようになり、さらに怒りやすくなっている可能性もあります。
すぐ怒る人との上手な付き合い方に必要な3つの考え方
理不尽な怒りをぶつけられてストレスを抱えるぐらいなら、すぐ怒る人とは関わらないことが一番です。しかし、職場やプライベートなど、簡単に距離を置くことができない場合もあるでしょう。
ここでは、これからも人間関係を続けていかなければいけない人に向けて、すぐ怒る人との上手な付き合い方をお伝えします。
1. 相手に対して否定や怒りの感情を持たない
すぐ怒る人は、「隠された心理」でも触れたように、自分の思い通りにならないというストレスを抱えています。怒っているときに相手を否定してしまうことは、その怒りを助長してしまう行動となります。
怒りをぶつけられたとき、ぶつけられた側であるこちらもイライラするなど、怒りの感情を覚えることもあるでしょう。しかし、そこで怒ってしまっては相手と同じ状態になるだけです。「あの人はすぐ怒る」という一員にされてしまう可能性も出てきます。
理不尽だとしても、自分のほうが大人だと割り切って、相手を否定したり、怒りの感情をぶつけることはやめたほうが、すぐ怒る人との関係は円滑に進みます。
2.相手のいいところにも目を向ける
怒るというネガティブな感情を頻繁に表わす人に対しては、どうしてもネガティブな感情をもちがちになります。つまり、その人のポジティブな部分が見えにくくなるのです。
そうならないためには、意識的に相手のいいところに注目するようにしてみてください。そして、いいところが見つかったらそのことを本人に伝えてください。そのときには「あなたの行動の〇〇で私は助けられた」というように、相手の行ないと自分の感想をセットにしてください。人は自分を認めてくれる人の期待には応えようとします。その部分をうまく人間関係に利用しましょう。
3.相手は変わってくれると期待しない
すぐ怒る人に対して、「怒ることをやめてほしい」など変わってほしいと思っているなら、その気持ちは捨ててください。
他人は変えることはできません。変えることができるのは自分自身のみです。相手に変わってくれるという期待を持つことは、あなたのストレスを強めるだけだと覚えておいてください。
文・構成/藤野綾子