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「働けるうちはいつまでも働きたい」人の割合、日本は11か国中1位

2024.04.04

再就職後に仕事内容や就労時間に変化はないが、待遇が下がってしまう実態も

シニア雇用における企業の努力も進み、60代以上の従業員への取り組みとして「継続雇用」の導入が進み始めている(60代以上の従業員がいる企業に、シニア層従業員について対応していることのうち、積極的に行っているものを聞くと75.1%が「継続雇用」と回答※)。お互いに理解がある上で働けること定年前の経験やスキルを生かせることなど、企業・個人双方にメリットがあると考えられる。

一方で、定年前と比べて、仕事内容や働く時間に大きな変化がないにもかかわらず、もろもろの待遇が下がり、働くモチベーションが下がるケースがあることも指摘されている。5年以内に仕事探しをして仕事が見つかった人に、仕事探しをする中で感じたことを聞くと、約4割の人が「年齢の制限が低い/幅が狭い」(40.1%)、「給料が安い」(37.2%)と回答している。働く時間や働き方など柔軟な「働きやすさ」への対応だけでなく、スキルや経験などに応じた評価や待遇に変えていく等、「働きがい」について考慮していくことも必要なのではないだろうか。

年齢に関係なく、スキルやパフォーマンスに応じた評価を

転職市場においては、人材の市場価値や、業界における賃金水準などの外部環境に合わせて報酬制度を柔軟に変更することで、必要な人材を積極的に取り入れようとする企業の動きが見られ始めてきた。賃金・報酬制度の見直しが必要と感じている理由については「従業員のパフォーマンスを引き出すため」と答えた企業が最多(57.3%)となった。賃金は従業員の一定のモチベーションを維持することにもつながる。今後、これまでよりも長く働いてもらうことも想定し、年齢に関わらないスキルやパフォーマンスに応じた報酬制度の導入も必要になってくると考えられる。

長く働き続けようと考えている人を応援できる人事制度へ

高齢化率世界トップクラスの日本ではあるが、先進国地域においても高齢化は課題となっている。「働けるうちはいつまでも」と考えている人が多いことや、今後の日本の労働力を見据えても、シニア層の労働参加は必要になっている。

人手不足の現状も後押しし、シニア層への採用門戸は少しずつ開き始めているが、無理なく働き続けてもらうためにも、今まで以上に「働きやすい環境の整備」が必要になる。そして、求職者の働き続けたいというモチベーションの維持のためにも「年齢に関わらない、スキルやパフォーマンスに応じた評価・報酬制度に変えていく」ことも検討していくことが必要だ。従来の雇用慣行が変化していく中で、これまでの賃金カーブも変わっていく可能性がある。

求職者・企業がお互いを理解し、多様な人材がイキイキと働くためには、企業は、シニア層に引き続き活躍してもらうという選択肢を持つこと、そしてあらゆる世代の人がモチベーション高く働ける雇用制度になっているか見直しをすることが必要だ。本記事がそのきっかけになれば幸いだ。求職者の皆さまも、今後のキャリアの選択権は自分自身にあると考え、自身の希望に合ったセカンドキャリアが築ける環境を選んでほしい。

<解説>
リクルート HR横断リサーチ推進部マネジャー/研究員・津田郁氏
リクルート ジョブズリサーチセンターセンター長・宇佐川邦子氏

出典元:株式会社リクルート

構成/こじへい

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