日本人は勤勉だとよく言われる。では、年齢に関わらず「働けるうちはいつまでも働きたい」と考える人の割合は、他国と比べてどれほど高いのだろうか?
リクルートはこのほど、同社が実施した調査をもとに、ミドル・シニア層の求職者の現状や雇用課題についてまとめた結果を発表した。
世界11か国中、日本は「働けるうちはいつまでも」働きたい割合が最も高く、「51~65歳まで」働きたいと考える割合は最も低い
世界11カ国(日本含む)において、「何歳まで仕事をしたいか」と質問したところ「働けるうちはいつまでも」と回答した人の割合は、日本が最も高く20.1%、以下、韓国15.3%、カナダ5.6%と続いた。全体の7.4%と比べても高い割合で、世界の中において日本は、年齢に関わらず働けるうちは働きたいと考えている人が多いようだ。
具体的な年齢をイメージできている人で、「51~65歳くらいまで」仕事をしたい(※「51~60歳くらいまで」と「61~65歳くらいまで」の計)と考えている人の割合は、フランスが最も高く75.3%、次いで中国72.4%、ドイツ65.2%と続き、アメリカや西欧諸国などでも半数を超えていた。それに対して日本は最も低く43.9%となった。ライフスタイルの変化や定年など、セカンドキャリアを考え始める年齢において、各国と日本の間で差異が見られる結果となった。
日本のミドル・シニア層求職者における仕事探しは活発化(Indeed Hiring Labの分析結果より引用)
リクルートのグループ会社であるIndeedの調査・研究機関「Indeed Hiring Lab」が、「シニア」に関する仕事検索割合を算出・分析した結果を、以下に引用する。
<Indeed Hiring Labエコノミスト青木雄介氏によるコメント>
ミドル・シニア層における就業・転職への関心は年々高まっている。総務省「労働力調査」によると転職等希望者数全体に占める55歳以上の割合は増加している。
同時に、Indeed上の全仕事検索におけるシニア関連のキーワードでの仕事検索割合も全体の2%を超えており高水準であることに加え、増加傾向にある。Indeedで仕事探しをする際、雇用形態や職種等に関連するキーワードを入れたり、キーワードを入力せずに検索したりするケースが大半を占める中、「シニア」に関するキーワードを用いた仕事を含む求人が増加傾向にあることは、ミドル・シニア層の就業・転職への関心の高まりを表している。
50~64歳の転職動向においては、2017年と比較すると7倍以上に転職決定数が増加している。転職のパターンとして最も多いのは「異業種×同職種」で、職種はそのままで新たな業種にチャレンジするケースが多いようだ。転職者側には「自身の専門性を生かし、興味のある分野や業種にチャレンジしたい」という思いがあるようだ。また、採用する側の企業においても、年齢に関わらず、個人のこれまでの経験や能力を評価するようになっていることが見受けられる。