先輩・上司が直してほしいマナーがあった時に新入社員にした対応、1位は「当たり障りのない言葉で伝えた」(図表4)
先輩・上司に「上記(図表3)について、どのような対応をしたか」を尋ねたところ、一番選択率が高かったのは「当たり障りない言葉で伝えた(49.6%)」だった。次いで、「新入社員が納得するまで話し合った(20.6%)」「見て見ぬふりをした(16.3%)」となった。
⇒「当たり障りない言葉で伝えた」「見て見ぬふりをした」などの消極的な関わりを示す回答が65.9%を占める結果となった。一方、「新入社員が納得するまで話し合った」という新入社員の理解を促す積極的な関わりを示す回答が20.6%となった。直してほしいマナーに対しての指摘・指導が難しくなっている状況がうかがえる。
図表4 【先輩・上司】どのように対応したか
半数以上の先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている(図表5)
先輩・上司に「新入社員のマナーに対する、指摘・指導に難しさを感じているか」について尋ねたところ、一番選択率が高かったのは「やや感じている(34.3%)」だった。次いで、「どちらともいえない(28.5%)」「とても感じている(18.0%)」となった。
⇒「とても感じている」「やや感じている」という回答が全体の52.3%となり、半数以上の先輩・上司が指摘・指導に難しさを感じているという結果だった。
図表5 【先輩・上司】マナーに対する指導の難しさ
先輩・上司が新入社員のマナーに対する指摘・指導に難しさを感じている理由は「世代間ギャップ」や「ハラスメント意識の高まり」(図表6)
先輩・上司に「指摘・指導を難しいと感じる理由」を尋ねたところ、「厳しく言うと辞めてしまう」「生まれてからの教育方式が違うので、今までの指導法では通用しない」「どこまで言っても良いものか、パワハラにならない範囲が分からない」「ぎくしゃくした関係性になりたくない」のようなコメントが見受けられた。
⇒先輩・上司が、新入社員とのさまざまな感覚のギャップを感じていると推察する。また、社会的なハラスメント意識の高まりも影響し、積極的な指摘・指導の難しさが増していると考える。
図表6 【先輩・上司】難しいと感じる理由
先輩・上司はマナーを実践することで、自身のメリットに繋がる経験をしている(図表7)
先輩・上司に「マナーを実践して、得をした・プラスの影響があった経験」を尋ねたところ、「取引相手に好感を得られた」「周りからの評価が上がった」「クレームが無くなったので、心が少しだけ軽くなった」「円滑に仕事が進むようになった」「会話を通して信用が出来ることで、具体的な商談がすすんだ」などのコメントがあった。
⇒先輩・上司は、マナーを実践することで、自身にとってのメリットに繋がる経験をしてきている。それらの情報を新入社員に伝えていくことで、マナーを実践する価値を感じられるだろう。
図表7 【先輩・上司】マナーを実践して得した・プラスの影響があった経験
先輩・上司はマナーを実践できなかったことで、自身のデメリットに繋がる経験をしている(図表8)
先輩・上司に「マナーを実践できず、損をした・マイナスの影響があった経験」を尋ねたところ、「あらゆる方面からお叱りを受けた」「ビジネスメールにおいて、返信、対応ご遅くなりビジネスチャンスを逃した」「他者からの評価の低下」「人間関係のトラブルや、噂を立てられることがあった」などのコメントがあった。
⇒先輩・上司は、マナーを実践できないことで、自身にとってのデメリットに繋がる経験をしてきている。メリットと合わせて、どちらの情報も新入社員に伝えていくことで、マナーを実践する価値を感じられるだろう。
図表8 マナーを実践できず損した・マイナスの影響があった経験
<調査概要>
構成/こじへい