社会人である以上、同僚や上司、取引先と円滑にやり取りする上で、最低限のビジネスマナーは身に付けておくに越したことはない。では、新入社員と先輩・上司では、ビジネスマナーについてどのようなイメージのギャップがあるのだろうか。また、先輩・上司が、新入社員に直してほしいマナーとは?
リクルートマネジメントソリューションズはこのほど、新入社員(社会人歴1~2年目)284名、先輩・上司(社会人歴3年以上)400名を対象に「社会人のマナーに関する調査」を実施し、その結果を発表した。
ビジネスマナーに対するイメージは、新入社員の1位が「堅苦しい・古い」に対し、先輩・上司の1位は「必要不可欠」(図表1)
新入社員に「ビジネスマナーに対するイメージ」を尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「堅苦しい・古い(26.0%)」、2位「複雑・難しい(18.4%)」、3位「面倒くさい(13.5%)」だった。
同じ設問に対する先輩・上司の回答は、1位「必要不可欠(21.3%)」、2位「基本常識(17.0%)」、3位が「社会人として必要・基本(12.5%)」だった。
⇒新入社員はマナーを「必要不可欠」「基本常識」など身につけておくべきことと回答する割合よりも、「複雑」「面倒くさい」などの、自身がマナーを実践する際のマイナスイメージを回答する割合のほうが多くなった。一方、先輩・上司は、マナーに対して「身につけておくべきこと」というイメージをもつ割合が約半数を占めた。この結果からも、新入社員と先輩・上司のマナーに対するイメージのギャップがうかがえる。
図表1 ビジネスマナーに対するイメージ
新入社員が身につけたいマナーは「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表2)
新入社員に「これだけは身につけたいマナー」を尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「挨拶(18.8%)」、2位「言葉遣い(18.2%)」、3位「宴席・食事のふるまい(13.8%)」だった。
⇒「挨拶」「言葉遣い」という基本的なコミュニケーションを身につけたい思う新入社員が約4割を占める結果となった。新入社員が周囲とのコミュニケーションを円滑に進めたいと考えていることが予想される。3位の「宴席・食事のふるまい」に関しては、コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが増加した結果、減少した対面でのコミュニケーションに備えて、身につけたいと考えているのではないか。
図表2 【新入社員】身につけたいマナー
先輩・上司が新入社員に直してほしいマナーも「挨拶」「言葉遣い」がトップ(図表3)
先輩・上司に「身近な新入社員の、『これはどうしても直してほしい』マナー」について尋ねたところ、回答数が多い順に、1位「言葉遣い・コミュニケーション能力(30.7%)」、2位「挨拶(17.3%)」、3位は2つあり「一般常識がない(8.7%)」「馴れ馴れしい(8.7%)」だった。
⇒先輩・上司がどうしても直してほしいと思うマナーは、「言葉遣い・コミュニケーション能力」や「挨拶」「一般常識」という、基本的なコミュニケーションに関する記載をする人の割合が約半数を占める結果となった。
ビジネスシーンに紐づく「電話対応」「報連相の徹底」などのスキルに関する記載をする人の割合を上回った。新入社員の時期においては、仕事を円滑に進めていくために、スキルよりも、まずはコミュニケーションが重要だと感じているのではないか。
図表3 【先輩・上司】直してほしいマナー