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「JAPAN INNOVATION DAY 2024」で見つけた、未来を変えるかもしれない4つの新技術

2024.04.04

微生物と植物の共生に注目した「エンドファイト」

「endo phyte」はギリシャ語に由来して内生菌のこと、植物と共生する微生物の総称を意味する。これを社名にした「エンドファイト」は植物のストレス耐性の向上、窒素、リン酸の吸収促進、土壌のCO2排出量削減を可能にする微生物を保有している。このDSE(Dark-septate endophyte)を含んだ培土と苗の販売をおこなう。さらに次世代の土壌再生、森林再生をおこなう企業に技術提供をするライセンス事業もおこなっていくそうだ。

簡単に説明すると、園芸作物などを育てるための苗を作るために必要な育苗培土と呼ばれる土があり、そこにエンドファイトが持つ微生物を混ぜると、寒さや病気に強く、肥料の吸収がよく、痩せた土地でも元気で大きな植物が育つのだ。化学肥料を使わず有機肥料だけでも育成可能で、除草剤なども基本的に使わなくていいため、肥料と農薬のコストを減らし環境負荷もかけないという。また、寒さに強い、暑さに強いなど特定の効果に対するリクエストにも応えられるそうだ。

「今までは化学肥料で何とかなってきましたが、世界的に土壌劣化が問題になっています。DSE技術を活用する時期が来ています。今まで使われなかった理由として、DSEは化学肥料を多く使われると微生物の元気がなくなり効果が半減します。また土壌に農薬を使われると死んでしまいます。化学肥料と農薬を使えないため、従来の栽培方法との違いが大きく普及が難しい面がありました。DSEは自然由来の菌を培養しているのでコスパはいいです。SDGsの追い風もあり2025年には事業化する予定です」と代表取締役兼CEO 風岡俊希さんは語る。

世界の33%以上の土壌が劣化、2025年にはこれが90%以上になると予測されている

DSEを活用することで土壌を再生しつつ、有機・再生農業がおこなえる

培養されたDSE。これが苗の細い根の部分に付いて共生する

DSEを混ぜた育苗培土に種子を入れたものから高機能苗が育つ

DSEを使ったいちごの苗は悪条件下でも大きく育つ。その効果は有機栽培だけでなく、慣行栽培でも発揮されることが分かる

写真・文/ゴン川野

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