2020年6月1日に「改正労働施策総合推進法」、別名パワハラ防止法が施行された。職場でのハラスメント対策が推進されてきているが、実際の現場はどのような状況にあるのだろうか。
リサーチ事業を運営するアイテクニックは、大企業に勤める女性359名を対象に「職場での女性差別や性的暴言の被害に関するアンケート」を実施した。
女性差別の内容としては、差別発言(92%)や性的暴言(61%)が最多
本調査では、特に「性的暴言」に注目した(証拠が残りにくく、表面化しづらいため)。実際のアンケートの質問順は異なるが、まず「性的暴言」の内容から見ていこう。
質問1. 最近、職場で受けた性的暴言の内容と状況を教えてください
上記の通り、女性の尊厳を踏みにじるような性的暴言が実際に発生している。大企業の中でもストレスの多い環境やタイミングにおいて、性的暴言が発生しやすい傾向にあるようだ。
また、性的暴言に対して女性側が気を遣って黙っていることを逆手に、発言内容がエスカレートするケースも考えられる。
質問2. 最近、職場で女性差別や性的暴言の被害にあったことはありますか?
近年、国内の大企業ではジェンダー平等意識により、女性差別は少ないと言われるが、実態としては上記の通り、8割近い女性が被害に合っていた。
被害者の女性が泣き寝入りして表面化しなかったり、大企業内でも部門や拠点によっては未だに女性差別が存在しているのが実情のようだ。
質問3. 最近、職場でどのような女性差別の被害にあいましたか?
「女性差別発言」が92%、「性的暴言」が61%と、「発言」に関連するものが多数となった。男性側は問題ないと思った発言が、女性にとっては差別や性的暴言に感じるケースもあり得るだろう。その他、ボディタッチや業務内容の差別なども、根強く残っていると言える。
質問4. 職場で女性差別を受けたことを相談・通報しましたか?
上記の通り、女性差別を受けた際、解決のために積極的な行動ができているケースは少数派のようだ。
多くのケースでは、相談・通報したい思いはあっても、心理的ハードルのため相談できないまま、精神的な孤独を抱えている状況にある。被害が長期化すると、鬱病などのリスクもあるだろう。
質問5. 「職場での女性差別」問題の解決のため、メディアや報道機関に求めることは?
職場での女性差別の問題を解決するために、メディア(報道機関)に積極的な報道を求める声が多数となった。
こうした声を受け、メディアは社会的責任のため、女性の声を取り上げた上で、公正な立場から女性差別の実態や解決策について報道していくことが求められている。
調査概要
調査目的:大企業の女性差別の実態認識を広め、解決を目指す目的(SDGs)
調査対象:全国の大企業(定義:従業員1000名以上)に勤める女性
調査日:2024年3月1日~2024年3月15日
調査機関:アイテクニック株式会社
調査方法:インターネット調査
調査人数:女性359名(全回答者から、大企業勤務の女性を抽出)
引用元
https://www.technique.co.jp/press-2024-03-19
構成/Ara