「レンジローバー」は、ジャガー・ランドローバー社の高級SUV系モデルを製造しているラグジュアリーブランド。1940年代の創業から一貫して4WDオフロードビークルを造り続けている。オフロードモデルが多いことから、環境問題への取り組みにも熱心で、2018年6月の新型で早くもプラグイン・ハイブリッド車をラインアップに加え、走行中のCO2削減を実践している。
プラグイン・ハイブリッドの「レンジローバー」は毎年、着実に進化を遂げてきた。2023年モデルではパワーユニットは直列6気筒3.0L、510PSのガソリンエンジンと105kWの電動モーターを組み合わせた「P510e」を投入している。さらに、2024年モデルには、直6、3.0Lエンジンをパワーアップし、550PSに高めたエンジンに、モーターを組み合わせた「P550e」が登場。
この他に、V8、4.4Lマイルドハイブリッド+ターボ530PS、750Nmと、615PS、750Nmのマイルドハイブリッドモデルをラインアップ。直6の3.0Lディーゼル+マイルドハイブリッドと合わせ、全パワーユニットがハイブリッド化された。
専用のデザインやオプションも充実
今回、試乗したのは2023年モデルで、出力は510PSのパワーユニットのプラグインだ。モーターは31.8kWh、105PS、275Nmで、モーターのみの走行距離は103kmと公表されている。2023年モデルはデザインが新しくなった。外観は最新技術を駆使し、凹凸や装飾を極限まで排したサーフェスデザインを採用。
フロントマスクは真横から見ても、出っ張りのない曲面で構造されている。ヘッドライトもグリルも段差がない。そのまま側面に回り込む。そこでもドアハンドル、ドアウインドウとピラーなどに段差がない。そのままリアに回り込んでもボディーに段差などはない。いかにも空力抵抗が少なそうなデザインだ。
運転席側のドアレバーに軽く手を触れると、ドアレバーがボディーからせり出してくる。同時にサイドステップもせり出す。室内への乗り込みは、サイドステップがあるのでラクだ。着座位置は高めで、ドアウインドウは低く、見晴らしがよい。このドライビングポジションは、レンジローバーの伝統でもある。
試乗車の室内は、SVO(スペシャルヴィークルオペレーションズ)が手がけたラグジュアリーで、パーソナライゼーションを極めたモデルの「SV」なので専用のデザインやオプションが採用されている。
さらにドライバー支援システムでは、ドライバーの状態を常時モニターし、反応がない場合、車線を維持したまま、ハザードランプを点滅しながら減速、自動停止させるドライバーコンディションレスポンス、レーダーやカメラを使い車両前後をモニター、1.2秒以内に衝突の可能性があると判断した場合は、ウインドウやルーフ、シートなどを調整し、乗員を保護するオキコパントプロテクションアシスト、専用のアプリを介して車外から駐車や入出庫をリモートで操作できるリモートパークアシストなどが初めて実用化された。車両本体価格は2551万円。試乗車はオプション装備が満載だったが、これの総額は338万2022円と記載されていた。