日本の冬は近年、地球温暖化などが原因で暖冬傾向にある。その影響を受けて今、スキー場の倒産が相次いでいるという。
帝国データバンクはこのほど、「スキー場」の倒産発生状況について調査・分析を行い、その結果を発表した。
深刻な雪不足でスキー場の倒産が増加、今後の降雪が来シーズン占うカギに
2023年に発生したスキー場運営企業の倒産は、リゾート会社やホテル、第三セクターなど合計7件判明した。前年(3件)から倍増したほか、コロナ禍が直撃した20年と並んで過去10年で最多となり、スキー場倒産の増勢が強まっている。
近年続く記録的な暖冬と雪不足により、営業ができない、または営業エリアや期間の縮小を余儀なくされるといったスキー場が増加している。スキー場運営サイトの情報などを元に帝国データバンクが調査した結果、昨年12月に営業を開始した全国約300カ所のスキー場のうち、半数超が今年3月中まで営業を予定していた。
ただ、営業中のスキー場でも雪不足からゲレンデの一部をクローズするといった対応が目立つほか、東北以南では2月までに営業を終了したスキー場もみられた。新型コロナが5類へ移行して初めてとなるフルシーズン営業にかける期待も大きかっただけに、雪不足に意気消沈したスキー場は少なくないとみられる。
北海道では訪日外国人のスノーリゾート熱も背景に客足は好調なほか、大手スキー場では気温に左右されない降雪機を導入するなどの対策が進んでいる。ただ、中小スキー場では老朽化した機材における更新費用の捻出が難しいなど営業継続には課題も多い。今後の降雪予報次第では、閉場や廃業を決断するスキー場がさらに増加する可能性もある。
<調査概要>
集計期間:2024年1月31日まで
集計対象:負債1000万円以上法的整理による倒産
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:帝国データバンク
構成/こじへい