アドビは年次のデジタルエクスペリエンスカンファレンスであるAdobe Summitにおいて、生成AIとリアルタイムのインサイトを通じて、one to oneのパーソナライゼーションを大規模に提供できるようにする、企業向けイノベーションを発表した。
優れた顧客体験の提供や長期的なロイヤルティの向上を実現
アドビがデジタルエクスペリエンスプラットフォームのグローバルリーダー、および信頼できるパートナーとして今回発表した顧客体験管理(CXM)ソリューションの機能拡張は、データ、コンテンツ、カスタマージャーニーを統合。優れた顧客体験の提供や長期的なロイヤルティの向上を実現するものだ。
Adobe Experience CloudとAdobe Creative Cloudのイノベーションは、統合された顧客データに基づくインサイトを提供。パーソナライズされたコンテンツの制作を大規模に行ない、カスタマージャーニーのオーケストレーションで顧客エンゲージメントを向上させることで、生成AIの活用によるビジネス価値を押し上げる。
■担当者の生産性を向上させ、対話型インターフェイスを通じて新しいアイデアを引き出す
今回発表した「Adobe Experience Platform AI Assistant」は、顧客体験を提供する担当者の生産性を向上させ、対話型インターフェイスを通じて広範なチームへのアクセスを民主化することで、新しいアイデアを引き出すことを可能にする。
また、新しい生成AIファーストの「Adobe GenStudio」は、マーケティング部門がブランドに沿ったコンテンツを迅速に計画、制作、管理、アクティベーション、測定できるようにする。
また、B2CおよびB2Bの企業が、カスタマージャーニーのオーケストレーションを強化。タイムリーかつパーソナライズされた顧客体験を提供することができるJourney Optimizer機能も発表された。
さらにアドビの商用向けクリエイティブ生成AIモデルファミリーであるAdobe Fireflyに追加された新機能「構成参照」は、ユーザーに新たなレベルのクリエイティブコントロールをもたらすはずだ。
Adobe Experience Cloudは、顧客体験を提供、測定、パーソナライズするための、業界をリードするプラットフォームだ。
現在では全世界で1万1000社以上の幅広い業界の企業に導入され、4500社のグローバルのエコシステムメンバーと500社以上のAdobe Experience Platformインテグレーションパートナーを有しており、企業のデータとコンテンツが共通の言語モデルの下に統合されている。
「データ」におけるイノベーション
アドビの新ソリューションは、インサイトの活用や、真のパーソナライゼーションの大規模な実施を可能にする基盤の構築によって生成AI時代にふさわしい企業のデータ管理を支援する。
これはAdobe Experience Platformを中核とするもので、統合された一連のアプリケーションを通じて、さまざまな企業内システムをまたいで顧客データを活用することが可能だ。
「Adobe Experience Platform AI Assistant」
「Adobe Experience Platform AI Assistant」は、Adobe Real-Time Customer Data Platform、Adobe Journey Optimizer、Adobe Customer Journey Analyticsなどのアプリケーション内で、技術的な質問への回答、タスクの自動化、結果のシミュレーション、オーディエンスやカスタマージャーニーの生成を行うシンプルな対話型インターフェイスを提供する。
「Federated Audience Composition」は、 エンタープライズデータウェアハウスやデータプラットフォーム(Amazon Web Services Redshift、Azure Synapse、Databricks、BigQuery、Snowflake)からのオーディエンスおよびデータを直接結合できるようにすることで、データ管理の柔軟性と効率性を提供。
Adobe Experience Platformのリアルタイムおよびクロスチャネルユースケースを拡張することができる。
企業はデータのコピーを最小限に抑え、機密データの使用を管理し、プロファイルの充実やオーディエンスのセグメンテーション、パーソナライズされたコミュニケーションなどのカスタマーエクスペリエンスのワークフローを強化するために、既存のIT投資を最大限に活用することが可能だ。
「Adobe Real-Time Customer Data Platform (CDP) Collaboration」は、新しいクリーンルームアプリケーション。
ブランドとパブリッシャーは、サードパーティCookieの廃止後、価値の高いオーディエンスを発見してリーチし、測定するために、プライバシーに配慮した方法でコラボレーションすることができる。
Real-Time CDP Collaborationは、CDPの価値をデータコラボレーションを含むものに進化させ、クッキーレスの世界において、顧客データ管理の重要かつ必要な要素となる。