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決済から売上分析まで1台でカバーするオールインワンPOSレジ「Squareレジスター」は小規模店舗の救世主となるか?

2024.03.30

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

専用の端末やPOS専用ハードウェアを用意することなく1台で全てをカバー

販売や決済の簡易化に貢献するツールを提供している、米国に本社を置く「Square」から、オールインワンのPOSレジ端末「Square レジスター」が発売された。

Square レジスターは、タブレットなどの端末を用意する必要がなく、1つのインターフェイスで完結する、カードリーダー内蔵の完全統合型POSシステム。1台で、タッチ決済を含む各種カードや電子マネー、QRコードなどあらゆる種類の支払いに対応する。

内蔵されているSquare POSレジは、在庫管理、リアルタイムでの売上分析機能を備えたダッシュボード、従業員の管理など、店舗運営を効率的に管理できる機能も提供する。

「Square レジスターはオールインワンデバイスとして設計された、決済、ソフトウェア、ハードウェアが一体となった、日本では比較的新しいといえるコンセプトの製品です。

QR、カード、電子マネーなど各種の決済方法が使えて、専用の端末やPOS専用のハードウェアを別途用意することがなく、これ1台で全てをカバーできるのが大きな特徴です。

販売店のカウンターの大きさによって、Square レジスターのお客さま専用モニターを本体につけたままでも、離して使うこともできます。

日本でよく見かける複数の端末を並べるようなものとは異なり、お会計カウンターをすっきりとさせることができるでしょう。

オムニチャネル販売の必要性をSquareは重要視しており、Square レジスターでは店頭のPOSでの販売とオンラインの注文管理を1つのデバイスに統合でき、シームレスに連携させることも可能です。

売上金は、早ければ翌日には銀行口座に振り込まれます。買い手と売り手の双方にとって決済に対する信頼とスピードが向上し、売り手は売り逃しを心配する必要がなく、簡単に業務を合理化できます」(Square ハードウェア責任者マイク・マクレナン氏)

 Square レジスターは、販売側、客側の両方にディスプレイが搭載されている。客側の決済画面は購入する商品や飲食したメニューの内容が表示され、正しい会計がどうかをその場でチェックできる。支払い方法の選択、暗証番号の入力も安全に入力でき、決済からレシートの発行まで客側で行うことも可能。多言語に対応しており、インバウンド客でもスムーズに会計ができる。

店舗側のメイン画面は、販売情報が一目でわかる大きなタッチスクリーン。販売者が客のカードを預かることなく、迅速に決済を完了させるので、店が忙しい時間帯のオペレーション効率化にも寄与する。

「本日と先週との売り上げ比較、タイプ別の売り上げ、売れ筋の商品の推移といったようなデータを一台で確認し、経営の意思決定を進めていくことも可能です。同じログインIDを使えば、パソコンからでも売り上げデータを確認することもできます。スタッフ管理、顧客管理といった機能もあります。

POSが内蔵されていますので、商品の登録で、内容を編集する機能も簡単に行えます。例えば特定の商品が売れているので一定期間だけ価格を上げたいといった際、既に登録されているアイテムの中から価格を変更することも簡単にできます。

Squareが提供している様々なサービスの連携も可能です。Square請求書の機能が内蔵されていますので、オンライン上で請求書が欲しいといったニーズがある場合は請求書を発行し、クリエイションカードを入力して決済を完了することもできます」(Square ハードウェア プロダクトマーケティングマネージャー 横山潤氏)

【AJの読み】小規模店舗に導入しやすいオールインワンPOSレジ

発売前の試験運用に協力した、WAVY COFFEE ROASTERS代表 上原彰哲氏はこう話す。

「以前からSquare スタンドを使っていて、今回は初めてレジスターを試しましたが、全く同じ操作ができるので、スタッフが新しい機能を使えないということはありませんでした。

レジスターはお客様に対しても同時にディスプレイを表示できることが大きなメリットです。今までは打ちこんだ内容を、ディスプレイを回転させてお客様に確認していただいていましたが、リアルタイムに打ちこんだ内容が分かるので、お客様とコミュニケーションしながら確認をすることができて、ミスをかなり減らすことができます。

決済の選択もお客様にしていただくので、スタッフのオペーションを削減することができ、その間にもコーヒーを淹れることができますし、お客様とのコミュニケーションを多く取ることも可能になりました。

同業者の方からもとても驚かれます。レジスターについて聞かれることも多く、同業者同士でこういった繋がりも生まれるということも感じています」

同じく試験運用に協力した「CafeYellow」(東京都世田谷区)の沓澤謙次氏はこう話す。

「当店は対面での決済を行っており、会計時に商品を入力すると、商品が一つ一つお客さま用の画面に表示されます。これにより、お客さまにも確認していただけ、注文や会計ミスが発生しにくくなりました。また、お客さま側には常時金額表示がされるため、安心してお会計していただけます。

操作性も非常に気に入っており、商品ごとにサイズやオプションなど、さまざまなバリエーションを一つのページで登録できることがSquareの強みだと感じています。また、決済の処理速度が速く、シンプルでコンパクトなデザインはお客さまからも好評です。お客さま用のディスプレイまで1台で済むため、無駄な配線を減らすことができ、お支払いカウンターの見栄えも良いと思います」

Square レジスターは、設定準備が必要なく箱から出してすぐに使えて、直感的な操作でトレーニングの必要もなくだれでもすぐに使える簡便性も大きなメリット。

初期費用はデバイス本体の購入費(8万4980円/2024年4月17日まで30%オフの発売記念価格5万9480円、2年間の保証付き)のみ。また、店側が負担するのは、決済ごとに発生するカード決済手数料だけで、振込手数料、月額固定費、解約料などの費用は一切発生しない。

店舗運営に最適化された機能を備え、シンプル、コンパクトで場所を取らず、コスト削減やオペレーション効率化に寄与するSquare レジスターは、小規模の店舗でも導入しやすいビジネスツールといえるだろう。

取材・文/阿部純子

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