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「蛇に睨まれた蛙」は、蛇と相対した際、恐れをなして立ちすくむさまを指すことわざだ。難解になる要素はなく、イメージ通りの理解をしている人は多い。
そこで本記事では、「蛇に睨まれた蛙」の意味や使い方、類義語・対義語について解説をしていく。意外な落とし穴となる間違いもあるので、例文もしっかりとチェックしよう。
「蛇に睨まれた蛙」とは
「蛇に睨(にら)まれた蛙」とは、蛇と蛙が相対した際、蛙が恐怖のあまり立ち尽くす状態を意味する。シンプルなことわざではあるが、理解を深めるために意味・由来を順に見ていこう。
■意味
「蛇に睨まれた蛙」には以下の意味がある。
見据えられて身が竦み、逃げることも立ち向かうこともできずにそこに立ち尽くしているさま、恐怖で立ちすくむ様子などを喩えた表現。「蛇に見込まれた蛙のよう」などのようにも言う。 引用:weblio辞書 |
竦(すく)んでしまい、逃げも攻勢もできずに立ち尽くすさまを蛇と蛙の攻防で例えている。難しい要素は全くないが、強いていうと「睨(にら)み」について、読みがわからない人がいるかもしれない。
■由来・語源
「蛇に睨まれた蛙」の由来は、言葉のままだ。
蛇のターゲットになった蛙が恐怖のあまり、身動きすらとれなくなったさまをとらえて生まれた言葉である。天敵である蛇を前にした蛙の姿が例え話として使われ、それが派生していったのだろう。
「蛇に睨まれた蛙」の使い方
「蛇に睨まれた蛙」は、さまざまな例で活用できる。例文とともに使い方を押さえていこう。
■ビジネスにおける例文
ビジネスシーンに使う例文は以下の通り。
・出張費をごまかしていた課長は温泉三昧。社長の耳に届き、社員一同の前で尋問を受けた時の課長は、蛇に睨まれた蛙同然だった。
社内で不正があった時のシチュエーションだが、ほかにも使えるシーンは多い。社外を例にすると、客対応をずぼらにした結果、クレームで怒鳴り散らされた時などだ。
■日常における例文
ビジネスシーンだけでなく、プライベートで窮地に立たされた時にも使えることわざだ。
・彼はいつも支えてくれる妻に対し、不倫をしてしまった。妻が問い詰める時、彼は蛇に睨まれた蛙同然に萎縮していたみたいだ。
不倫がバレた時を例にしたが、うそをついていたことが露呈した際や、不誠実な行動が明るみになった際など、ことわざを使って表現することでリアルな様子を伝えることができる。
「蛇に睨まれた蛙」のよくある間違い
「蛇に睨まれた蛙」には、よくある間違いが2つある。
■「蛇に見込まれた蛙」という表現もある
似た言い回しに「蛇に見込まれた蛙」という表現がある。これは「蛇に睨まれた蛙」と同じ意味で、誤りではない。
どちらか一方にしか馴染みのない人にとっては、誤用のように聞こえてしまうこともあるだろう。
どちらの言葉もあることを理解しておかないと、会話がかみ合わなくなってしまうので注意しよう。
■研究によって新説が登場
「蛇に睨まれた蛙」の一般的認識は、恐怖で体が震えて動けないというものが大半だろう。無論、ことわざでの表現は間違いではないのだが、京都大学の研究によって新説が唱えられている。
蛇ににらまれた蛙が動じないのは、怯えているわけではなく、「先に動くと不利になるから」という理由での戦略だという説だ(FNNプライムオンライン)。
つまり、蛙はあえて動かないわけである。この説が一般的になれば、「蛇に睨まれた蛙」は未来において解釈が変わる可能性がある。こうした背景も知っておくと、より正しい場面で言葉を使えるようになるだろう。