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今さらだけど「減価償却」って何?不動産投資など会社員でも知っておくべきポイント

2024.06.01

減価償却とは、建物や車両などの資産を購入したあと、経年劣化により失われる価値を反映させることだ。資産の減価償却を行うことで、税負担を抑えられる。

一般的に、減価償却は事業主に深く関連する概念。しかし、一般的な会社員でも、減価償却を考えるべき機会がある。

こちらの記事では、減価償却の仕組みや、会社員でも知っておくべきポイントを解説する。

減価償却とは

減価償却とは、企業が資産を購入した際に、当該資産が時間の経過とともに価値が落ちることを会計上で表現することだ。具体的に、以下の資産を購入したときに減価償却が関係する。

  • 建物、建物付属設備
  • 構築物
  • 車両・運搬具、工具
  • 器具・備品
  • 機械・装置

例えば、業務用の車両を購入したとき、年数の経過に伴って車両の価値は下がる。

新車よりも中古車のほうが安いことをイメージすると、わかりやすいだろう。年間の利益が1億円の会社が2億円の設備投資を行うと、1億円の赤字を計上することになり、財務上問題が発生する。

しかし、投資した設備は1年ではなく何年にもわたって使用して利益に貢献するのが一般的だ。そのため、設備投資の費用は単年で計上するのではなく、減価償却を用いて各会計年度に分割して計上するほうが理に適っている。

■減価償却と耐用年数

減価償却を考える際に重要なのが「耐用年数」だ。

耐用年数とは、資産を使用できる期間を指す(実際には、耐用年数を超えて使用することもある)。減価償却をするにあたって、資産がどのくらいの期間使用可能か示す「耐用年数」を把握する必要がある。

耐用年数は省令で定められており、減価償却資産の種類や用途などによって異なる。

例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造の建築物の場合、事業用であれば50年・住宅用であれば47年が法定耐用年数だ。建物付属設備では、給排水・衛生設備、ガス設備の法定耐用年数は15年となっている。

通常、取得した固定資産は時間の経過とともに価値が失われる。最終的に価値を喪失する(帳簿上では1円になる)が、何年で価値を失うかを示すのが耐用年数だ。

■減価償却費の計算方法

減価償却の計算方法は、定額法と定率法の2つがある。原則として、個人事業主は定額法を適用し、法人は建物・建物附属設備・構築物・ソフトウェア以外は定率法を適用することとなっている。

定額法とは、毎年定額の減価償却費を計上する方法だ。一方で、定率法は資産価値に一定の率を乗じて減価償却費を計上する。それぞれの計算式と特徴は、以下のとおりだ。

定額法

定率法

計算式

取得価額÷耐用年数

未償却残高×定率法の償却率

特徴

資産の価値が毎年均等に減少する

毎年減価償却費が徐々に減少する

定額法で減価償却する際の具体例は、以下のとおりだ。

【条件】

  • 資産の購入価格: 100万円
  • 耐用年数: 5年

この場合、100万円÷5年=20万円となる。すなわち、毎年20万円を減価償却できる計算だ。

続いて、定率法の具体例も見てみよう。

【条件】

  • 資産の購入価格:100万円
  • 減価償却率:20%(耐用年数に基づく)

初年度は、100万円×20%=20万円となり、20万円を減価償却費として計上する。このとき、資産価値は20万円失われたことになるため、残存価値は80万円だ。2年目の計算は、80万円×20%=16万円となり、16万円を減価償却費として計上する。

このように、定率法では年を追うごとに減価償却費が減少する特徴がある。

※出典:J-Net21「減価償却とはどのようなものなのか教えてください。」

※出典:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」

※出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

減価償却が必要な理由

減価償却のプロセスは、会計や税務申告を正確に行ううえで欠かせない。

減価償却費は経費計上できるため、きちんと減価償却の計算をしないと税負担が重くなってしまう。

また、財務状況を正確に把握するうえでも、減価償却は重要だ。資産は時間の経過とともに劣化し価値を失う点を考慮しないと、購入時の価値をそのまま財務諸表に反映し続けることになる。

その結果、企業の財務状態が実際よりも良好に見えてしまう現象が生じる。事業の実態を反映していないことで、融資を受ける際や出資を募る際に問題が起こりかねない。適正に会計管理を行っていないと、金融機関や出資者から信頼を得られないだろう。税負担を軽減するだけでなく、信頼を得るうえでも、減価償却を適切に行うことは欠かせない。

さらに、減価償却には費用対効果を配分する効果もある。

資産を取得したコストを各年度に分散することで、一度に大きな費用が計上される事態を避けられる。その結果、各会計期間における費用と収益のバランスを取ることが可能だ。

企業の財務状態を正確に示すことで、企業の健全性と各会計期間における企業の収益性を把握できる。

会社員でも減価償却の知識は必要?

経理や財務に携わる会社員以外でも、減価償却が関連する状況はいくつか考えられる。

例えば、不動産投資を行っているケースだ。賃貸マンションやアパートを経営しているとき、当該建物も減価償却の対象となる。減価償却費は不動産収入から控除できるため、税負担を軽減できる。

なお、実際には不動産オーナーの懐から「減価償却費」というキャッシュアウトが生じているわけではない。

例えば、不動産投資を行うにあたって8,000万円のマンションを購入し、減価償却期間が40年というケースでシミュレーションしてみよう。この場合、年間の減価償却費は「8,000万円÷40年=200万円」だ(建物の減価償却は定額法)。

つまり、年間200万円を減価償却費として計上できる。

賃貸マンションからの家賃収入が1,000万円の場合、減価償却費を加味すると不動産所得は800万円となる。このように、課税所得が200万円減少することで、節税効果を得られるのだ。

不動産投資を行う会社員でも、減価償却について理解する意義は大きいと言えるだろう。

まとめ

減価償却とは、建物や車両などの設備・資産を購入したあとに、時間の経過とともにより失われる価値を帳簿上に反映させることだ。

会計や財務の部署で働いている方や、経営者にとって減価償却は馴染みがある概念だ。減価償却とは馴染みが薄い業務を行っている方も、一般教養として知っておくとよいだろう。

また、不動産投資に興味がある会社員にとって、減価償却は知っておくべき概念だ。きちんと理論や仕組みを理解し、確定申告を行うことで不動産収入に関する税負担を軽減できる。

文/柴田充輝
厚生労働省、保険業界、不動産業界での勤務を経て独立。FP1級、社会保険労務士、行政書士、宅建士などの資格を保有しており、特に家計の見直しや資産運用のアドバイスのほか、金融メディアで1000記事以上の執筆を手掛けている。

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