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退職を引き止めるのは違法行為!?しつこい引き止めに困った時の断り方

2024.06.14

労働者には、勤務先を辞められる権利がある。

勤務先が不当に在職を強要するのは許されない。慢性的な人手不足の状況に陥っている勤務先を辞める際には、慰留されたり、引き止められたりすることも考えられるだろう。「辞めたい」という強い意志を持っている場合は、退職の意思を伝えれば、問題なく辞められる。

こちらの記事では、違法な退職引き止めである「在職強要」や、慰留を受けたときの断り方などを解説する。

強引な退職の引き止めは違法になる?

基本的に、労働者には自由に職場を辞められる権利がある。民法でも、退職の申出をしてから2週間が経過すると退職の効果が生じる旨が規定されているため、勤務先が退職を認めないのは違法だ。

実際に、労働者の権利を認めないのは「在職強要」として違法行為にあたる。強引に退職を引き止める手段として、以下のような事例があるようだ。

  • 退職届を受理しない
  • 退職手続きを放置される
  • 損害賠償請求する旨を言われる
  • 後任が見つかるまで辞められない旨を伝えられる
  • 給与・退職金を支払わないと脅される
  • 退職前の有給休暇の取得を認めない

勤務先に、退職届を受理しないという行為は認められない。労働者が退職の意思を示したら、基本的に受け入れる必要がある。当然、退職手続きを意図的に放置することも許されない。

退職の意思を示したとき、損害賠償請求をちらつかせるのも違法だ。そもそも、労働基準法では労働契約の不履行について違約金や損害賠償額を予定する行為が禁止されている。

「後任が決まるまでは辞められない」という理由には、まったく正当性がない。人員確保・人員配置は事業主が果たすべき責任である以上、労働者に責はないためだ。

給与や退職金を支払わないことは、言うまでもなく労働基準法違反だ。事業主には、労働契約に沿って労働者に賃金を支払う必要があるため、退職するからと言って給与や退職金を支払わないのは認められない。

有給休暇は労働者に当然認められた権利である以上、退職前の有給休暇取得を認めないことも違法だ。基本的に、労働者が行使できる権利を踏みにじる行為や、労働基準法に抵触する行為は違法となる。

※出典:長野労働局「退職(退職金を含む)に関する相談」

※出典:厚生労働省「第5章 仕事を辞めるとき、辞めさせられるとき」

退職を引き止める会社の本音とは

退職の意思を示したとき、上司から慰留されることもあるだろう。

会社としても、残るように慰留するのは違法ではない。実際に、退職を引き留める会社として、どのような本音があるのか見てみよう。

■人手不足で業務が回らなくなるから

勤務先が人手不足の状況にあるとき、強い慰留を受けることが考えられる。「これ以上人が減ると、業務が回らない」という事情を抱えていることから、とにかく残ってほしいというのが本音だろう。

残った社員の業務負担が増える中で、新規採用や教育を行わなくてはならないため、勤務先としては「辞められたら困る」と感じるのは当然だ。

■労働者のキャリア形成を懸念しているから

勤務先によっては、「この人はこのまま勤務し続けたほうが良いキャリアを構築できる」と考えてくれているケースがある。人材育成やスキルアップの支援に力を入れているような、従業員を大切にしている勤務先で当てはまることが多い。

引き止めの話し合いを行う場で、真剣に今後のキャリアプランやキャリア形成を説明してくれる場合、社員の将来を考えてくれている公算が高い。良心的な勤務先を離れる場合、結果的にもったいない結果に終わる可能性がある。

ただし、具体的な根拠がなく「君は残ったほうがいい」と短絡的に伝えてくる場合、表面上の慰留にすぎない可能性もある。勤務先のキャリア形成モデルや将来性を鑑みて、本音か建て前か判断することも必要だろう。

しつこく退職を引き止められたときの対処法

退職する意思を持っていても、できればトラブルを避けて円満に退職したいと考えるのが一般的な考えだ。円満退職とは、社員と会社側の双方が納得したうえで、退職に合意している状態を指す。

以下で、しつこく退職を引き留められたときでも、円満に退職に至るための対処法を解説する。

■現職に不満がないことを伝える

現職に不満がないことを伝えることで、上司に悪い感情を持たれる事態を避けられるだろう。「仕事の進め方に不満がある」「こんなブラックな環境では続けられない」など、ネガティブな退職理由を伝えるのは避けよう。

上司に悪い印象を与えてしまうと、退職手続きを遅延させたり、競合他社に自分の悪い評判を撒かれたりするなどのリスクを高めてしまう。仮に労働環境や条件に不満があっても、大人の対応を心掛けるべきだ。

「自分のキャリアプランをしっかりと考えた結果、新しい職場で成長したい」という旨を伝えるとよいだろう。感情的にならず、落ち着いて退職の意思と自分が希望しているキャリアパスを伝えよう。

■一身上の都合であることを伝える

退職理由が「家族の介護」「配偶者の転勤」など、一身上の都合であることを伝えるとよいだろう。一身上の都合であれば引き止めが難しく、勤務先としても「引き止めても無駄だろう」と諦めがつきやすい。

人の健康状態や家庭環境は変えられるものではないため、一身上の都合はケチをつけられにくい理由だ。引き止めに弱い方や、そもそも引き止められたくない方におすすめの伝え方といえる。

■できるだけ早く退職の意思を伝える

できるだけ早く退職の意思を伝えることも意識しよう。会社が従業員を引き止める大きな理由の一つに「後任の確保ができていないから」が挙げられるからだ。

民法上は退職日の2週間前に意思表示をすればよいことになっているが、勤務先からすると早ければ早いほど助かるのが本音だろう。勤務先が後任を確保する時間と引継ぎを行う時間を十分に確保できれば、トラブルに発展しにくい。

できれば退職予定日の3カ月前くらいに、退職の意思を伝えるとよいだろう。例えば、3月末に退職を考えている場合は、年末年始くらいのタイミングで上司に退職の意思を伝えよう。

まとめ

退職を引き止める行為は、すなわち違法ではない。しかし、退職届を受理しなかったり、有給の申請を認めなかったり、法令に違反する行為は許されない。

大前提として、退職は労働者に認められた権利だ。現在の勤務先を辞めたいと考えている場合は、退職の意思を伝えれば問題ないことを覚えておこう。

退職の意思を伝えたときに引き止められた場合は、円満退職ができるように配慮しよう。こちらの記事で解説した内容を意識すれば、無用なトラブルを避けて円満に退職できるかもしれない。

文/柴田充輝
厚生労働省、保険業界、不動産業界での勤務を経て独立。FP1級、社会保険労務士、行政書士、宅建士などの資格を保有しており、特に家計の見直しや資産運用のアドバイスのほか、金融メディアで1000記事以上の執筆を手掛けている。

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