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値上げ効果で大幅な増収増益となったダイドー、インフレは業績回復の起爆剤になり得るか?

2024.03.28

清涼飲料大手のダイドーグループホールディングスの業績が急回復しました。売上高は前期の1.3倍、営業利益は5.3倍に跳ね上がっています。

業績好調の背景の一つが値上げ。2022年10月、2023年5月、11月に価格改定を行っていました。

ダイドーの業績は停滞感が鮮明になっていましたが、インフレの波に乗ってそれを突破しました。

値上げでコスト増の影響を跳ね返す

ダイドーは2023年1月期の営業利益が7億円となり、前期と比較して84.6%も減少していました。この期に収益認識に関する会計基準を適用しており、単純な比較はできないものの従来の基準で出した場合も営業利益は6割減少しています。

大幅な減益に至った要因の一つが原材料高。原価率は2022年1月期の47.9%から翌年は54.4%まで上昇しています。

そこからは力強く回復します。

2023年1月期の営業利益率は0.4%。収益認識に関する会計基準が同じ2024年1月期が1.7%。コスト高にも関わらず、1.3ポイントも上昇したのです。

決算短信より筆者作成

2024年1月期の国内飲料は、15億円近い利益の押し上げに貢献しています。国内飲料事業における粗利の増加額はおよそ30億円。コスト高を跳ね返して増益効果を生んでいます。

なお、ダイドーが採用しているIFRSという会計基準は、貨幣価値が著しく低下した場合などに一般物価水準の変動を財務諸表に反映させることを求めます。

これにより、物価上昇を加味した企業の業績を見ることができるのです。もし、超インフレ会計を適用しなかった場合、ダイドーの国内飲料事業における粗利改善は、44億円もの押し上げ貢献をしていました。

新会社の設立で自動販売機での販売量が大幅に増加

ダイドーが値上げをしたタイミングは絶妙でした。2023年1月にダイドードリンコが66.6%、アサヒ飲料が33.4%出資する新会社を設立していたからです。

ダイドーとアサヒ飲料は協力しながら自動販売機事業を展開していました。ダイドーの自動販売機でカルピスウォーターや三ツ矢サイダーを販売。アサヒ飲料の自動販売機ではダイドーのコーヒーなどを扱ってきたのです。

新会社の設立により、アサヒ飲料販売、ミチノクなどがダイナミックベンディングネットワークの子会社となりました。そしてこの会社はダイドーの連結子会社に当たります。当然、ダイドーは販売本数を大幅に増やすことができます。

月次販売状況時系列データより筆者作成

ダイドーの自動販売機の2024年1月期の販売本数は、前年と比較して3割も増えています。自動販売機以外のコンビニやスーパーなどでの販売本数は8%の減少でした。

つまり、ダイナミックベンディングネットワークの連結子会社化は会社として大幅な増収を見込むことができます。そこに値上げによる増収増益効果が加わり、相乗効果が生まれるのです。

しかも、新会社を設立した2023年以降、ダイドーの一部商品はアサヒ飲料の工場に製造を委託しています。今後は配送ルートの効率化や拠点の見直しを行い、更なる利益率の向上を目指すとしています。

2024年1月期の販売単価は9.2%上昇しています。生産効率を上げることで、更なる増益にも期待ができます。

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