ビジネス以外のアウトカムの意味
アウトカムは、医療や看護、介護、疫学などの分野において専門用語として使用されることもある。ここからはそれぞれの現場で使われる場合の意味を紹介する。
■医療
医療業界におけるアウトカムとは、病院での治療や検査を行った後に得られる「患者の状態の変化」を指す。アウトカムを数値化したものを「アウトカム指標」と呼び、厚生労働省では以下のように定義している。
アウトカム指標:診療後の患者の状態など「医療の結果・成果」を表す指標
(具体例):死亡率、回復率、再入院率、患者満足度 等
■看護
看護分野におけるアウトカムとは、看護師が診療の補助を行った後に得られる「患者の状態の変化」を指す。
例えば合併症の発生率や再発率、転倒や誤薬の発生率などが挙げられる。
■介護
介護業界で使われるアウトカムは、介護により得られる「利用者の状態の変化」を指す。例えば在宅復帰率や日常生活率などが挙げられる。
介護報酬では介護の質を評価する指標の一つで、アウトカム評価として導入されている。
■疫学
疫学でアウトカムとは、臨床結果の意味で使用されている。具体的には疾患への罹患率や検査結果、治療後の容態改善率などが挙げられる。
アウトカム指標を活用するメリット
最後にビジネスシーンでアウトカム指標を活用するメリットについて紹介する。
■客観的な評価が可能
アウトカム指標を活用すると、結果が数値化されるため、主観や感情などに左右されず、ビジネスの成果を正当に評価ができる。
■過去データと比較できる
アウトカム指標の設定と記録を継続的に行うと、データが貯まっていくため、過去のデータと現在のデータの比較が可能になる。比較することで変化を把握しやすくなり、問題に対して早めに対策を講じることにも繋がる。
■手段と目的が明確になる
ビジネスでは、手段と目的を混同してしまうことで、なかなか結果に結びつかないことがある。例えば、 集客を目的として広告出稿を始めたものの、いつの間にか広告を出稿すること自体が目的になってしまうなどのケースが挙げられる。結果に重きを置くアウトカム指標を活用していれば、このように手段が目的になることを防げる。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部