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新ブランド「nubia」を投入したZTEは日本市場で巻き返しを図れるか?

2024.03.27

 制裁解除後も国内で着実にビジネスを展開

 今回、「nubia」ブランドで新製品を発表したZTEジャパンだが、多くの人にとっては、随分と久しぶりに名前を聞いたと考えるかもしれない。ZTEと同じように、米商務省から制裁措置を受けたファーウェイは、国内市場向けのスマートフォンは事実上、撤退を強いられたが、ZTEジャパンは国内でどのようにビジネスを展開してきたのだろうか。

 まず、前述の米商務省の制裁措置まで、ZTEジャパンは国内の各携帯電話会社と良好なビジネスを展開していた。たとえば、ソフトバンクやワイモバイル向けには「Pocket WiFi」などのモバイルWi-Fiルーター、遠隔地や自宅をリモートで確認できる「みまもりカメラ」などを供給していたり、スマートフォンではNTTドコモのオリジナルモデル「MONO」シリーズを開発したり、かつてNECカシオがNTTドコモ向けに供給した二画面スマートフォンの先駆け「MEDIAS W」を復活させた「M Z-01K」の製造を受注していた。au向けにも3G時代からデジタルフォトフレームを開発するなど、国内の各携帯電話会社向けに多彩な製品を供給してきた。SIMフリースマートフォンでは「Blade」シリーズや「AXON」シリーズを展開するほか、MVNO向けでは「goo」ブランドを展開していたNTTレゾナント(現在はNTTドコモに吸収合併)向けに「Blade」シリーズをベースにした「gooのスマートフォン」も供給していた。

 こうした各携帯電話会社との取引は、米商務省の制裁措置によって、一時的に縮小したものの、2018年に制裁が解除されて以降、ほかの海外メーカーのような派手さこそないものの、再び堅実にビジネスを展開しはじめている。たとえば、各社の5Gサービス開始直後は、ソフトバンク向けに「ZTE AXON 10 Pro 5G」、au向けに「ZTE a1 ZTG01」をいち早く供給する一方、楽天モバイル向けには世界初のディスプレイ内蔵カメラ「UDC(Under Display Camera)」搭載の「Rakuten BIG」を提供するなど、同社が持つ技術力を活かしたモデルを供給している。

 このほかにも各携帯電話会社が扱うモデルとは別に、ゲーミングスマートフォンとして、「RED MAGIC」ブランドのシリーズを販売しており、こちらはグローバル市場での高い評価から、国内でもゲームユーザーに安定した人気を保っている。スマートフォン以外ではau/UQコミュニケーションズが販売する5G対応ホームルーターに同社が開発したモデルが採用され、ラインアップに加わっている。

 こうしたスマートフォンなどとは別に、少し特徴的なのが各携帯電話会社から発注されて開発する特定ユーザー向けの端末が挙げられる。たとえば、子どもに持たせるキッズ向け端末や位置情報を確認できるGPS端末は、他メーカーが事業縮小や撤退したこともあり、現在は同社が開発を受注しており、ソフトバンク向けには「キッズフォン」シリーズや「どこかなGPS」シリーズなどを供給している。

 国内のモバイル業界はグローバル市場と違い、各携帯電話会社が販売する「キャリアモデル」がほとんどを占めている。ここ数年、オープン市場向けのSIMフリー端末の販売も拡大しつつあるが、端末メーカーとして、堅実なビジネスを考えるなら、やはり、各携帯電話会社とのビジネスが有効であり、ZTEジャパンが米商務省の制裁解除以降、着実にビジネスを拡大できた背景には、こうした各携帯電話会社のニーズをくんだリーズナブルな端末や特定ユーザー向けの端末などを着実に受注し、供給してきたことが挙げられる。

16年に及ぶ国内での経験を活かして、ビジネスを展開したい

 「nubia Flip 5G」と「nubia Ivy」という2つのモデルを国内のオープン市場向けに投入したZTEジャパン。国内での事業戦略をどのように考えているのだろうか。今回はZTEジャパン代表取締役社長の周 涛(シュウ トウ)氏、同社取締役副社長・モバイルターミナル事業最高責任者の黄 凱華(コウ ガイカ)氏に直接、話をうかがうことができた。

独占取材に対応したZTEジャパン代表取締役社長の周涛氏(左)と取締役副社長・モバイルターミナル事業最高責任者の黄凱華氏(右)

Q:これまで「Blade」シリーズや「AXON」シリーズを国内向けに展開してきたが、今回は「nubia」ブランドで新製品を投入します。その背景について、教えてください。

A:「ZTEではそれぞれの時代に合わせ、ブランド戦略を変化させてきたことが挙げられます。たとえば、日本向けでは『Blade』シリーズや『AXON』シリーズを展開し、ZTEブランドをアピールしていましたが、一時的に休止することになりました。その後、昨年、グローバルでの端末部門のトップが交代し、ブランドが整理されることになり、『ZTE』『nubia』『REDMAGIC』に集約されることになりました。『nubia』は『Be Yourself』というブランドスローガンを掲げています。日本語では『活力、革新、異なる暮らし体験の追求』と表現していますが、美しいデザインや高いカメラ性能などに注目する若い世代のみなさんに使っていただきたいと考えています」

Q:ここ数年、御社は国内の各携帯電話会社とのビジネスに注力していたようですが、手応えはどうでしょうか? SIMフリー市場に注力することと関係はありますか?

A:「日本ではキャリアさんとのビジネスが順調で、右肩上がりで成長を続けていて、これからも積極的に取り組んでいきたいと考えています。一方、グローバル市場はキャリア向けとオープン市場向けが半々程度なので、日本でもオープン市場向けを拡大していきたいと考えています。ただし、これは日本だけの特別な取り組みというわけではなく、グローバル市場全体でオープン市場向けを取り込みに行きたいと考えています」

Q:2月29日にワイモバイルからフォルダブルスマートフォン「Libero Flip」が発売されています。他製品に比べ、買いやすい価格を実現していますが、その理由と反響について、教えてください。

A:「キャリアさんが販売する価格は、私たちがキャリアに納入する価格から、各社が個別に決めています。それぞれのキャリアさんに戦略があり、その戦略に従って、決められた価格だと理解しています。今回の『Libero Flip』は非常に反響が良く、キャリアさんが積極的にアピールされているため、とても盛り上がっていると見ていますし、ユーザーのみなさんの関心が高いことも知っています。実際の売れ行きはキャリアさんが販売されているので、私たちにはわかりませんが、徐々に上がってきていると聞いています。今後も自信を持って、販売を伸ばしていきたいと考えています」

Q:国内のオープン市場向けに販売する場合、サポート体制などを気にするユーザーが多いと思います。この点についてはどうお考えですか?

A:「私たちには約16年、日本のマーケットでビジネスを行なってきた経験があります。日本のお客様が品質に対して、常に高い要求を持たれていることも十分に理解していて、そのご要望に応えられるように、サポートの体制も整えてきました。今回発表したオープン市場向けの『nubia』シリーズでも日本のみなさんにご満足いただけるように、アフターサービスを含め、サポートしていきます」

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