近年、リモートワークなど働き方や働く環境の変化によって、オフィスにおける服飾の規定の緩和が促され、オフィスファッションの多様化・カジュアル化が進んでいる。
そのような背景のなか、ファーストリテイリンググループのブランド「PLST(プラステ)」はこのほど、関東在住で10年間同じ業種の企業に勤めている30歳から59歳の会社員の男女500名を対象に、10年前と比較したオフィスファッションの意識調査を実施し、その結果を発表した。
10年前と現在のオフィスで着用しているスタイルの違い
オフィスで着用しているスタイルについて聞いたところ、10年前は「スーツ」や「制服」など決められたスタイルが約半数(50.8%)だったのに対して、現在では「カジュアル」や「オフィスカジュアル」など自由度の高いスタイルが半数以上(56.4%)を占め、約1割がカジュアルスタイルに移行し、現在のオフィスファッションの主流となっていることがわかった。
実際に下段の表のように、10年前に「金融・銀行・保険」「不動産・建設」「IT・ソフトウェア・情報処理」の3業種では、「スーツ」スタイルが最も多い割合だったのに対し、現在その3業種は「オフィスカジュアル」のスタイルが最も多いことが判明した。10年前まではスーツが標準的な服装だったが、時代とともに働き方や働く環境が変化し、従来のルールや規範にとらわれず、より自由で柔軟な服装を取り入れる企業が増えている。
仕事でジーンズをはくことについて「あり」と回答した人は8割近くにのぼる結果に
カジュアルアイテムの代表格ともいえる「ジーンズ」をオフィスシーンではくことについて「あり」と回答した人は8割近く(76.6%)にのぼる結果となり、ジーンズがオフィススタイルの1つとして受け入れられていることがうかがえる。
また、実際のオフィスでの着用意向を聞いたところ、現在では全体の3割以上(33.0%)がジーンズをオフィスで着用していることがわかり、10年前と比較すると、10業種中9業種でジーンズの着用率が増加していることも明らかとなった。
10年前にはオフィスでジーンズをはいていなかったが、現在はいている人に対して理由を聞いたところ、「職場の服飾のルールが変わったから(42.6%)」の回答が最も多く、企業の考え方の変化によってジーンズを着用する人が増加していることがわかった。
さらに、「世の中のトレンドが変わったと思うから(29.8%)」「オフィスにも着用できるきれいめなデザインが増えたから(25.5%)」など、時代の変化に加えてジーンズがオフィスでも着用できるようなデザインに変化したことも一因となり、着用率が高まったことが推測できる。