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相手に対して協力を依頼する際に、「ご協力お願いします」などの表現を用います。しかし、目上の人に対して使える表現なのか、使い方に迷うこともあるのではないでしょうか。
この記事では、言葉の詳しい意味や使い方を確認していきます。
「ご協力お願いします」の意味
「ご協力お願いします」は、相手に対してなんらかの形で協力を依頼することを指す表現です。
「協」は、「力を合わせること」「一致すること」を意味します。また、「協力」とは「力を合わせて事にあたること」「心を合わせて働くこと」です。
協力の前の「ご」は、丁寧さを表す接頭語です。つまり、「ご協力」と伝えることで、相手に力を貸してもらうことへの敬意を表せます。
ビジネスでは、自分ひとりだけでやり遂げる仕事ばかりではなく、むしろ多くの人々の協力を得ることで実現させる仕事も多いです。覚えておいて損はない表現でしょう。
「ご協力お願いします」の使い方
では、どんな場面に適した言葉なのか、また言い回しの工夫など使い方を確認していきましょう。
■ビジネスシーンで上司にも使える言葉?
「ご協力お願いします」は、プライベートで使うことはあまりなく、ビジネスシーンで用いられることの多い表現です。相手が上司でも同僚でも、または取引先であっても使用できます。
ただし、使い方や受け取る相手によっては少々強いニュアンスに感じることがあり、依頼が強制的なもののように聞こえてしまう恐れがあります。
・上司に使う時の工夫①「~のほど」を添える
目上の人に対する言葉としてより適切な表現にするには、間に「~のほど」をつけて、「ご協力のほどお願いします」などと伝えるといいでしょう。「~のほど」をつけることによって依頼したい内容が命令形よりも柔らかいニュアンスで伝わります。
・上司に使う時の工夫②「何卒」「賜りますよう」を併用すれば丁寧に
目上の人に対して力を貸してほしいと依頼する際は、さらに「何卒」や「賜りますよう」などの表現を用いるとより丁寧です。つまり、「何卒ご協力をお願いします」「ご協力を賜りますよう~」などと伝えます。
「お願いします」の部分も、「お願い申し上げます」や「よろしくお願いいたします」などと変化させるとより丁寧な印象になるでしょう。
■「ご協力お願いします」の例文
「ご協力お願いします」を使う時は、禁止のニュアンスがある場合と、依頼したい行為を伝える場合があります。それぞれの使い方は以下のとおりです。
<禁止のニュアンスがある場合>
・分煙にご協力お願いします。
・今回の試験が終了するのは14:00です。制限時間内に席を離れる場合には、周りの方の迷惑にならないようご協力お願いいたします。
<依頼したい行為を伝える場合>
・ごみの分別にご協力お願いします。
・レポート提出の受け付けは本日までです。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
なお、「ご協力のほど」を用いる場合には、「~のほど」がひらがなでも漢字表記でも問題ありません。漢字表記をする場合は、「ご協力の程」もしくは「御協力の程」と表記しましょう。
■感謝を伝える際の「ご協力」の使い方
「ご協力」を用いて、相手への感謝を伝えることもあります。
感謝の気持ちを伝える場合には、以下のように表現しましょう。
・ご協力のほどありがとうございます。
・日頃から企業活動にご協力を賜り、誠にありがとうございます。
・先日は弊社における調査にご協力いただき、ありがとうございました。
感謝を伝える際の「ご協力」は、ビジネス文書やビジネスメール、貼り紙などで用いられるケースが多いです。
「ご協力お願いします」の類語・言い換え表現
「ご協力お願いします」と似たような意味を持ち、相手に対して協力を求められる類語・言い換え表現には、「お力添え」や「ご助力のほど」などがあります。
また、「ご支援のほど」「ご了承くださいますよう~」「ご理解」「ご承知おきくださいますよう~」などとも言い換えが可能です。
協力への感謝の気持ちを伝える場合には、「ご尽力」という表現も使用できます。ただし、「尽力」には力を尽くすという意味があるため、これから起こる物事への協力を求める際の言い換えには適しません。ご協力と毎回言い換えられるわけではないことに気をつけましょう。
1.お力添えをお願いします
「お力添え」とは「サポート」のことです。相手に対して協力を求めつつも、「ご協力お願いします」と伝えた場合よりもさらに丁寧な印象を与えられます。丁寧さが増す分、同僚や部下などではなく、目上の人に対して用いると良いでしょう。
また、手助けを依頼したい際に、「お力添えのほど~」などとも伝えられます。
2.ご助力のほどお願いします
「助力(じょりょく)」とは、「手助けすること」を指します。「ご助力のほど」は、助力に「ご」「のほど」をつけて、支援してもらうことを丁寧に伝える表現です。
「ご助力」を使う場合は、支援を受けたことへのお礼を伝えるケースが多いです。ご助力という表現で手助けを依頼する際は、以下のように伝えると良いでしょう。
・ご助力のほどお願いします。
・ご助力いただければ幸いです。
「ご協力お願いします」を適切な場面で使おう
「ご協力お願いします」は、目上の人にも使える敬語表現です。相手によっては、「ご協力のほど~」「何卒ご協力をお願いいたします」「ご協力を賜りますよう~」などと言い換えると良いでしょう。
言い換えられる表現には、「お力添え」や「ご助力」などもあります。ただし、似た表現であっても異なる部分があることに注意しましょう。
ビジネスシーンなどでは、周りの人々からうまく協力してもらうことが大切です。適切なシーンで自信を持って正しく使いこなせるようになりましょう。
構成/chihaya