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「ご理解いただきありがとうございます」は上司に対して使っても大丈夫?

2024.03.22

相手の理解に対して感謝を伝える表現が、「ご理解いただきありがとうございます」です。しかし、上司などの目上の人に使って良いのかどうかと迷うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、「ご理解いただき~」の意味や上司にも使えるか、より丁寧な表現、使い方・例文を解説します。あわせて、類語・言い換え表現も確認しましょう。

「ご理解いただきありがとうございます」とは?基礎知識を解説

「ご理解いただき~」は、相手に対して「理解してくれてありがとう」という気持ちを丁寧に伝えるときに用いる表現です。また、「ご理解」は感謝の気持ちを伝えるとき以外にも用います。

たとえば、「ご理解のほどよろしくお願いいたします」「ご理解賜りますようお願い申し上げます」などの表現です。

はじめに、ご理解いただきありがとうございますの意味やビジネスシーンで上司にも使えるのかどうか、より丁寧な表現、使い方・例文を解説します。

■理解してくれた相手に感謝を伝える表現

ご理解いただきありがとうございますとは、こちらの事情をくみ取って理解を示してくれた相手に感謝の気持ちを伝える表現です。依頼や希望など、なんらかのお願いごとをしたうえで、それを相手が聞き入れてくれた場面で用います。

品詞分解すると、「ご」「理解」「いただく」「ありがとう」「ござい」「ます」です。それぞれの言葉は、以下のような意味があります。

・ご……「ご(お)」をつけることで尊敬や謙譲を表す接頭辞。この場合は謙譲語表現
・理解……物事がわかること。意味をのみこむこと
・いただく……「~してもらう」の謙譲語。
・ありがとう……感謝の気持ちを表す表現
・ござい……「ござる」の連用形
・ます……丁寧語

「ご理解いただき~」は、「ご(お)~いただく」の形を用いた謙譲語表現です。自分がへりくだる表現を使うことで相手を立てて、理解を求めたことをやわらかいニュアンスで伝えられます。

■ビジネスシーンで上司にも使えるのかどうか

ご理解いただきありがとうございますは敬語として正しく、上司などの目上の人に問題なく用いられます。ビジネスシーンでも頻繁に使われている表現です。とはいえ、実際に使う際は失礼にならないように注意するポイントがあります。

受け取る人によっては、「理解」という言葉に押しつけがましさなどのネガティブなイメージを感じる場合があるようです。相手やシーンに応じて、「ご承諾」などのほかの表現を用いると良いでしょう。

■「ありがとうございます」を言い換えるとより丁寧に

「ありがとうございます」などの表現を変えることで、より丁寧な言い回しに変更可能です。

「ありがとうございます」からの言い換えでより丁寧に伝えられる表現には、「お礼申し上げます」や「感謝申し上げます」などがあります。

また、「いただき」も変更すると丁寧さが増します。取引先など、より丁寧に伝えたい相手に対しては、いただくの部分を「賜(たまわ)る」を用いて表現すると良いでしょう。

■ご理解いただきありがとうございますの使い方・例文

それでは、使い方への理解が深まるように、ご理解いただきありがとうございますを用いた例文をご紹介します。

・打ち合わせ日時の変更の件、ご理解いただきありがとうございます。
・このたびの工期延長につきまして、ご理解を賜り誠にありがとうございます。
・このたびは突然の変更にもかかわらず、ご理解いただき厚くお礼申し上げます。

このように、こちらの事情に対して相手に理解を示してもらえた場合に用いる表現です。

また、「ご理解いただきますようお願い申し上げます」「ご理解いただければ幸いです」など、こちらの事情を伝える際に「ご理解いただき」を用いる場合もあります。依頼を伝える場合は、「恐れ入りますが」などのクッション言葉を用いるとより丁寧です。

ご理解いただきありがとうございますの類語・言い換え表現3つをご紹介

表現を少し変更すると、ニュアンスを和らげたり、より適切ないい回しにできたりすることがあります。

ご理解いただきありがとうございますと言い換えが可能な3つの表現は、以下のとおりです。

1.ご了承いただきありがとうございます
2.ご容赦いただきありがとうございます
3.ご承知いただきありがとうございます

また、先述したように感謝の言葉を「感謝申し上げます」などに変更しても良いでしょう。

それでは、類語・言い換え表現の意味などを解説します。

■1.ご了承いただきありがとうございます

「ご了承」とは、「相手に事情をわかってもらい、そのうえで受け入れてもらうこと」を意味する言葉です。一方で、「ご理解」とは「物事をわかってもらうこと」を指します。

似た意味を持つものの、ご理解よりもご了承のほうが「こちらの主張をそのまま受け入れてほしい」というニュアンスが強くなることが異なるポイントです。

また、理解を求める対象の違いもあります。ご理解が現在や過去の物事に対する理解を、ご了承はこれから始めることに対する理解を求めて用いるのが一般的です。

■2.ご容赦いただきありがとうございます

「ご容赦」とは、「許して受け入れてもらうこと」を指す言葉です。「容赦」とは、「相手の過ちなどを許し、とがめないこと」を意味します。

相手からの許しを得たいと思うような何らかの出来事がすでに起こっている状態で、その出来事に対する理解を求めるときに用いる表現です。

自分に過失がある場合、もしくは相手からの依頼をお断りした場合などに、「ご容赦」を用いると良いでしょう。

■3.ご承知いただきありがとうございます

「ご承知(ごしょうち)」とは、「知る」の敬語表現です。「承知」は、「意味や趣旨、事情を理解する」「相手の要望などを受け入れる」といった意味で使われます。

「ご承知」という敬語表現として用いる場合には、相手に伝えた物事のことをただ理解してもらうだけではなく、そのうえで記憶にとどめておいてほしいというニュアンスが強いです。

ご理解いただきありがとうございますを適切な場面で使おう

「ご理解いただきありがとうございます」は、目上の人に問題なく使える敬語表現です。ビジネスシーンなどでは、こちらの事情への理解を示してくれた相手に対してよく用いられています。

言い換えられる表現には、「ご了承」「ご容赦」「ご承知」など複数あります。ただし、似た表現であっても異なる部分があることに注意が必要です。

使い方を間違えることのないよう、意味や似た表現との違いを確認して正しく使いこなしましょう。

構成/chihaya

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