給料か？スキルアップか？年代別にみたビジネスパーソンの転職理由

給与面も人間関係も、仕事内容も、全てが満足のいく会社であれば、ずっと留まりたいと思うもの。そのため、ビジネスパーソンが転職を志すに理由の中には、ネガティブなものが多いのではないだろうか？

転職サービス「doda」はこのほど、2022年7月～2023年6月の1年間に転職した825人のデータをもとに、転職理由について調査を実施し、その結果を発表した。

転職理由の1位は、3年連続で「給与が低い・昇給が見込めない」

転職理由の1位は、3年連続で「給与が低い・昇給が見込めない」となった。回答割合も前年比で4.1ポイント上昇し、過去最高の36.9%となった。2位の「社内の雰囲気が悪い」（26.9％）は前年度3位から、3位の「人間関係が悪い／うまくいかない」（26.6％）は、前年度の7位から順位を上げている。

一方で、前年度2位だった「昇進・キャリアアップが望めない」は大きく順位を下げ、9位となった。今回はじめてトップ10入りした10位の「ハラスメントがあった（セクハラ・パワハラ・マタハラなど）」（19.7％）は、前年度から7つ順位を上げた。ハラスメントをはじめ、人間関係、職場環境に関わる転職理由は、全体の転職理由トップ10のうち6つを占める結果となっている。

年代別で見ると、20代、30代の転職理由1位は、総合ランキングと同じく「給与が低い・昇給が見込めない」となった。特に30代の回答割合は41.2％となっており、前年度比で5.1ポイント上昇している。30代は結婚・出産・子育てといった大きなライフイベントを経験する人が増加する年代であることや、近年の物価上昇なども相まって、給与・昇給への関心は高まっていることが考えられる。

総合ランキング2位の「社内の雰囲気が悪い」（26.9％）は、40代（37.8%）と50代（39.0％）の転職理由のトップになっている。また、40代、50代ではハラスメントを理由にした転職が増加していることもわかった。

■doda編集長 総括

2023年度の転職理由ランキングでは「給与が低い・昇給が見込めない」の項目が転職理由の1位となった。前年度と比べてすべての年代・性別で回答割合を上げており、昨今の物価高などの影響で今の待遇を考え直す人が増加していることが伺える。

今回の調査でもう一つ特徴的だったのは、人間関係や社内の雰囲気を理由にした人が増えていることだ。新型コロナの流行を契機に「リモートワーク」というはたらき方が広がったが、メリットを感じる人も多い一方で、「コミュニケーションの量・質の低下」を実感した人も多いことがわかっている。

特に、20代の場合はスキル習得期間でもあるためコミュニケーションが一層重要な時期といえるが、上司や先輩への質問を躊躇したり、悩みを一人で抱えたりして問題を解決できなかった人も多かったのではと思われる。

＜調査概要＞
対象者：20～59歳の男女
雇用形態：正社員
調査方法：ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
（ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問）
実施期間：2023年8月23日～2023年9月1日
有効回答数：825件※ウェイトバック：正社員の地域・年代・性別に合わせて実施

出典元：転職サービスdoda「転職理由ランキング」

構成／こじへい