ウェルビーイングとSDGsの関係
SDGsとは、世界の国々が2030年にまでに達成すべき国際目標です。『持続可能な開発目標』と呼ばれ、持続可能な世界を実現する上での目標が17のゴールと169のターゲットで示されています。ウェルビーイングとSDGsには、どのような関係があるのでしょうか?
■「全ての人に健康と福祉を」に含まれている
SDGsの目標の中には、ウェルビーイングと関連性が深いものがあります。SDGsの目標3は、『あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する(Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages)』です。
出典:JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
英語表記からも分かるように、世界中の全ての人がウェルビーイングを実現することが目標です。
世界には、5歳になる前に命を落としてしまう子どもや妊娠・出産中に亡くなる女性が大勢います。エイズや結核などの感染症を患っても、医療体制が不十分で治療が受けられない国・地域は少なくありません。
また、自殺や薬物乱用、アルコールの過剰摂取は全世界で深刻化しています。体の病だけでなく、心の病(精神疾患)を減らすことも重要です。
■ウェルビーイングと共に「働きがいも経済成長も」がかなう
SDGsの目標8は、『包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する』です。
出典:JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
世界には、人間らしい働きがいのある仕事に就けない人がいます。強制労働や児童労働の実態もあり、誰もが豊かで幸せな生活を送れているとは言えないのが実情です。
日本においては、性別・年齢・障害の有無に関係なく、同一労働同一賃金の正規雇用を増やすことが課題です。ウェルビーイングの実現は、目標8の達成そのものにつながるでしょう。
日常からウェルビーイングを意識してみよう
ウェルビーイングの直訳は、健康や幸福ですが、ウェルネス(健康)やハピネス(幸福)とイコールではありません。肉体的・精神的・社会的に満たされてこそ、人は心から幸せを感じられます。
先進国である日本は、途上国に比べて経済的には豊かですが、個人の幸福度はそれほど高いとは言えないのが現実です。
健康で心豊かな社会を実現するには、政府や企業による環境整備はもちろん、個人の意識の変革が欠かせません。日常からウェルビーイングを意識し、自分や他人のために何ができるかを考えてみましょう。
構成/編集部