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マーケティングや投資の分野における「コモディティ」の重要性

2024.04.25
コモディティ商品やコモディティ化など、『コモディティ』という言葉は、多くの分野で使われています。
もともとは、商品や日用品を意味しますが、分野ごとに意味が異なる点に注意しましょう。人材・投資・マーケティングにおける意味や使い方を解説します。

コモディティとは何を指す言葉?

『コモディティ』は、ビジネス用語の一つです。投資分野をはじめ、さまざまな場面で使われていますが、本来はどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?

■「商品」や「日用品」という意味を持つ

コモディティ(commodity)は、商品や日用品を意味します。商品とは、エネルギー資源や貴金属、農産物といった『一次産品』を指すのが一般的です。

これらは、人間の生活に欠かせない生活必需品であり、世界的な規模で取引が行なわれています。市場では、生産者が誰であっても、ほぼ同一の価値があると見なされます。『コモディティ商品』と呼ばれることも覚えておきましょう。

なお、コモディティの語源は、フランス語で、便利さや快適さという意味があります。

■「コモディティ」は人材にも使われる言葉

『コモディティ化』とは、高付加価値のある商品やサービスが一般的な量産品に成り下がる現象です。本来は、商品や日用品を指す言葉ですが、人に対しても使われる場合があります。

近年は、人のコモディティ化が進んでおり、『コモディティ人材』という言葉も登場するようになりました。転職市場において、コモディティ人材は買いたたかれやすく、高収入・高待遇が期待できません。AIが導入されれば、すぐに仕事を奪われるでしょう。

企業内で人材がコモディティ化する要因の一つは、野心や向上心の欠如です。ルーティンワークをこなすだけの日々が続くと、人材の価値がどんどん下がってしまいます。

投資におけるコモディティとは?

電卓と株価チャート

(出典) pixta.jp

投資に興味がある人は、『コモディティ投資』という言葉を見聞きしたことがあるでしょう。先行きが不透明な現代、コモディティ投資でリスクヘッジをする人が増えています。

■商品への投資を指す

投資におけるコモディティとは、商品先物市場で取引されている商品を指します。『商品』とは、以下のような一次産品や原材料です。

  • エネルギー資源(原油・天然ガスなど)
  • 貴金属(金・プラチナなど)
  • 農産物(大豆・トウモロコシ・小麦・砂糖など)

エネルギー資源や貴金属は『ハードコモディティ』、農産物は『ソフトコモディティ』と呼ばれます。『コモディティ投資』とは、これらの商品に投資をすることです。

■コモディティ投資のメリットはリスク分散

株式や債券は、国の金融政策や景気、為替などで変動するのに対し、商品は需要バランスや気候、生産量などの影響を受けます。一般的な金融市場と異なる値動きをすることから、コモディティ投資をリスクヘッジとして活用する投資家が少なくありません。

例えば、インフレーション(インフレ)では、物やサービスの価値が上がり、お金の価値が目減りします。貴金属や農産物などは、物価上昇と連動して価値が上がる傾向があるため、インフレに強いといわれています。

投資商品にコモディティ商品を組み込めば、不景気で株価が下落しても、大きな損失を回避できる可能性もあります。

■コモディティ投資のデメリットは管理の難しさ

エネルギー資源の値動きは、資源国の情勢に影響を受け、農産物の値動きは、天候や生産量などに左右されます。商品ごとに価格形成の要因が異なる点や相場予測が困難な点において、管理がしにくいと感じるかもしれません。

コモディティは外貨建てで決済されるケースが大半です。為替相場の変動により、資産の円評価額が下がる可能性があることも覚えておく必要があります。

また、不動産の家賃収入や株式の配当金のように、『インカムゲイン(資産の保有によって得られる利益)』が得られないのもデメリットといえるでしょう。

マーケティングにおけるコモディティとは?

マーケティング会議

(出典) pixta.jp

マーケティングとは、商品やサービスが自然に売れる仕組みを作ることです。マーケティング業界では、商品・サービスのコモディティ化が懸念されています。

■商品・サービスが均質化する「コモディティ化」

マーケティングにおけるコモディティ化とは、高付加価値の商品・サービスが均質化する現象を指します。

市場に投入された直後は、価値ある商品と見なされますが、市場が徐々に活性化してくると、多くの企業が似たような機能・品質の商品をリリースするため、商品が一般化して、価値が低下してしまうのです。

同じ機能・品質の商品があれば、消費者はより安い方を選びます。商品の差別化が難しくなった場合、競合同士が価格の安さを競う『低価格競争』が生じるでしょう。

■コモディティ化の具体例と解説

商品・サービスのコモディティ化は、あらゆる産業で生じています。スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器は、コモディティ化しやすい商品の一つです。

例えば、一眼レフ並みの写真が撮れるスマートフォンは発売当初、一部のユーザーのみが手にできる高級品でしたが、市場が活性化するにつれ、どのスマートフォンも高画質のカメラ機能を備えるようになりました。

また、牛丼やうどんのチェーン店もコモディティ化した商品・サービスの代表格です。競合と差別化できない限り、低価格競争から抜け出すのは難しいでしょう。

■消費者・企業から見るコモディティ化

商品・サービスのコモディティ化は、消費者にとって必ずしもマイナスの現象ではありません。企業同士の価格競争が生じれば、消費者は優れた商品・サービスを容易に手に入れられます。デジタル機器や電化製品、車などの場合、利用者が増えれば、人々の暮らしがより便利になるでしょう。

一方で、企業側は自社のオリジナリティーをアピールできなくなり、価格ありきの商品を次々と量産するようになります。低価格競争が生じれば、企業の利益が減り、結果的に従業員の給与の減額や倒産につながる可能性があるでしょう。

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