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各社売り上げが急上昇!いま〝コーン系スナック旋風〟が起こっている理由

2024.03.17

スーパーやコンビニの棚を意識して眺めたことがある人なら、毎日、その棚で繰り広げられる場所取り争奪戦に気がつくだろう。中でも、カップ麺やレトルトカレー、お茶やコーヒーなどのドリンクといったエリアの戦いは熾烈だ。

スナック菓子の棚もまた、場所取り争奪戦が激しいエリアのひとつである。

気に入っていたポテトチップスが、突然姿を消した経験はないだろうか。新顔の商品も、1週間後にはもっと新しい商品に入れ替わったりもする。

以下は「日本スナック・シリアルフーズ協会」がまとめたスナック菓子の年別出荷数量及び金額をもとに、ポテトチップス、ポテトファビリケート、コーン系スナックの出荷金額の変化をコロナ禍が始まる前年、2019年を100としてまとめたもの。

各スナック菓子の出荷金額の変化

このグラフからもわかるように、スナック菓子全体がやや増加している中で、コーン系スナックが2021年から大きくその数字を伸ばしている。

なぜ、コーン系スナックは、ここ数年で売上を伸ばすに至ったのか。

忘れもしない〝カールショック〟から数年

2017年5月、スナック菓子「カール」の中部地方以東での販売終了が発表された。これはコーン系スナックの歴史に残る大きな出来事で、同ジャンルのスナック菓子を語る上で避けては通れないと思う。子どものころからカールに親しんできた世代にとっては、まさに〝カールショック〟だった。

ニュース発表後、慌ててスーパーに駆け込んだ私だが、そもそもスーパーにカールが置かれていなかったことに気づく。当時、すでにカールはスーパーの場所取り争奪戦に負けていたのだ。もっと早くに気がつくべきだったのに、カールには申し訳ないことをしたと今も悔やんでいる。

私はスナック菓子の大ファン。自分を褒めたいと思える日にはひとりでスナック菓子を食べるくらい。でも、いつの日からか、その時口にするスナック菓子はほとんどがポテトチップスに偏っていた。

前出のグラフでわかるとおり、2015年から2016年にかけてコーン系スナックの売上は大きく落ちていて、2017年に少し増加したものの、2018年にはさらに売上を減少させていることがわかる。

〝カールショック〟後、日の目を見ない日々が続いていたのだ。

湖池屋に「売り上げ急上昇のワケ」を聞いてみた

昨今のコーン系スナックの売り上げ増加は何が要因なのか。

ポテトチップスもコーン系スナックも販売する株式会社湖池屋のマーケティング本部広報部の小幡和哉氏と伊藤恭佑氏に話を伺った。

■ポテトチップスの販売休止を余儀なくされた2017年

すると、この数字にはとある事件が大きく影響していることがわかった。2016年の8月に発生した台風の影響で、2017年に北海道産ジャガイモが不足。湖池屋、カルビーの2社でポテトチップスが販売休止となったのだ。

コーン系スナックにとっては〝ライバル〟の失速である。

ポテトチップスはほとんどが国産のじゃがいもを原料としている。また、国内のじゃがいもは3/4が北海道産。北海道が不作になれば、鹿児島、長崎など、ほかの産地のものにも影響が出る。

「このポテトショックで、私たちメーカーはじゃがいも以外の原料にも目を向ける必要性に迫られました」と小幡氏は当時のことを振り返る。

■ライバルの失速によるコーン系スナックの転機

そこで湖池屋では、比較的安定して原料を調達できるコーン系スナックにも力を入れていくこととなった。「コーンなら世界中で栽培されていて、安定的に原料調達ができますから」と小幡氏。

パッケージもおいしくリニューアル

2022年3月に「スコーン」を、2022年4月に「ドンタコス」を、相次いでリニューアル。「スコーン」はカリッとサクッとおいしく軽快な食感に、「ドンタコス」はよりクリスピーで素材の旨みを感じられるように味変された。

合わせて「スコーン」は以前のCMをリメイクし、キャラクターに中島健人さんを起用。「中島さんの起用で、20代を中心とした若い世代の方にも受け入れられました」と伊藤氏は喜びを口にする。

また、伊藤氏によると、「『スコーン』はCMが流れるようになってから大きく売り上げを伸ばした商品です。最近では、コーン系スナックにおいて初めて売り上げトップに躍り出ました」とのこと。

最近のスナック菓子が抱える問題として、購買者の高齢化があった。若い世代はスナック菓子ではなくて、コンビニのスイーツやおにぎり、からあげなどを食べることが多いそう。「特にロングセラー商品になると、購買層の年齢は年々上がる傾向にあるんです」と伊藤氏は最近のスナック菓子事情を教えてくれた。

その点、中島さんの起用は、スナック菓子全体の課題解決に貢献するほどの威力をみせたようだ。恐るべし、ケンティーパワー!

スーパーの棚で検証してみた

次に、私はある大手スーパーのスナック菓子売り場で棚の現状を確認してみた。するとやはり、スーパーの棚のコーン系スナックエリアが以前より拡大していたことに気づく。

コーンス系スナックで多くの商品を出しているのはジャパンフリトレー。「マイクポップコーン」は定番だ。中でも、青と白の縦ストライプが目を引くパターしょうゆ味はエリア最大の占有率。また、ジャパンフリトレーの「ドリトス」や「チートス」も棚に並ぶ。

ちなみに、フリトレーはアメリカの飲料・食品メーカーであるペプシコ社の菓子ブランド。なるほど、コーラなんかの炭酸飲料とよく合うはず。

湖池屋の商品は、先ほど紹介した「スコーン」と「ドンタコス」のほか、「トルティアチップス」の姿も。それぞれが棚のゴールデンラインに並ぶ。

甘くてもおいしいのがコーン系スナックの魅力

また、超ロングセラー商品のハウス食品の「とんがりコーン」、長年コーン系スナックのトップを走ってきた東ハトの「キャラメルコーン」の存在も忘れてはいけない。

「とんがりコーン」は、あっさり塩、焼きとうもろこし、バターしょう油の3種類が置かれ、「キャラメルコーン」は1種類しかないものの、「マイクポップコーン」に負けない堂々の占有率を誇っていた。

コーン系スナック旋風は、身近なスーパーでも十分感じることができる。

コーンがポテトに追いつく日はくるのか

日本はポテトチップスの売上割合がほかの国に比べて極めて高いらしい。前述のデータで言うと2022年のポテトチップスの出荷額は1771億円、コーン系スナックは509億円。コーン系スナックはポテトチップスの約29%でしかない。

日本でコーンがポテトに追いつく日はくるのか。コーン系スナックをテーマにここまで書いてきたので、「近いうちに」とか「近い将来」といった、明るい未来を書きたいところだが、残念ながらそれはちょっと厳しいような気がしている。

ちなみに、私もスナック菓子といえば、ポテトチップスを食べることのほうが多い。でも今回、コーン系スナックを調べてみて、こちらを食べる機会が増えそうな予感だ。なぜなら、どれもかなりおいしく進化していたから。

私の意見が本当か、単なるえこひいきか、ぜひ、あなたも試してみてほしい。〝コーン系スナック旋風〟の理由が見えてくるかもしれない。

取材・文/内山郁恵

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