問題なく食べられるのに、流通にのせられることなく処理されてしまう魚を「未利用魚(ミリヨウギョ)」と呼びます。
調理が難しい変わった魚だけでなく、実は日頃からスーパーで売られているような魚介類が未利用魚になることもあります。
今回はこの未利用魚について、廃棄の理由や注目の背景をまとめました。食費の節約にもなる未利用魚が購入できる人気サイトやアプリも紹介しているのでチェックしてみてください。
未利用魚(ミリヨウギョ)とは?
未利用魚(ミリヨウギョ)とは、水揚げされた後、何らかの理由があって市場に出回らない=利用されない魚のことです。
利用機会が極端に少ない「低利用魚(テイリヨウギョ)」や、捕獲の対象ではないのに獲れてしまった「混獲魚(コンカクギョ)」などを含めて未利用魚とされることもあります。
食べるのに問題がないのに関わらず、利用されない未利用魚となってしまうのはなぜなのでしょうか?
その理由は、魚自体ではなく流通コストなどの問題にあります。
【未利用魚になる主な理由】
● サイズや重さが規格外
○ →効率よく出荷することができない
● 漁獲量が少ない
○ →ロット数に満たないと流通にのせることができない
● 漁獲量が多すぎる
○ →獲れすぎても処理しきれない・流通量を調整されてしまう
● 知名度がない
○ →あまり知られていないため売れる見込みがない
● 見た目が悪い
○ →傷や見た目のグロテスクさで値段がつかない
● 加工に手間がかかる
○ →毒や棘など加工しないと売れない魚はコスパが悪い
● 鮮度が落ちるのが早い
○ →小売店に並ぶ前に傷んでしまう
未利用魚が人気急上昇中の理由
もともとフードロス削減への課題として水面下で注目されていた未利用魚。
近年の物価高騰の影響もあり、節約食材としてニュースやメディアで頻繁に取り沙汰されるようになりました。日本の漁獲量が減っている一方で、海外での魚介類の需要は伸びていることも、注目の理由だとされています。
とはいえ、市場に出回らないものをどうやって手に入れるのか?と思うかもしれません。
実は未利用魚は、扱っているウェブサイトやアプリを利用すれば一般家庭でも簡単に購入することができます。
商品にもよりますが、大抵は海産物がランダムに詰め込まれているため、何が入っているかはお楽しみ。鯛やオコゼなどの高級魚が混ざっていることもあれば、普段なかなかお目にかかれないレアなカニや貝が入っていることもある、いわばお得な「魚ガチャ」です!
一般的な価格は1~3kg程度で大体2,000円~3,000円前後。スーパーなどで「ご指名」の魚を買うより安く手に入ります。食べられる魚であることは間違いないので、食費を節約したい人はもちろん、変わった食材で料理を楽しみたい人などからも人気を集めているとか。お店によっては丁寧に魚の種類と調理方法を記したメモをつけてくれていることもあるので食べるときにも安心です。
魚を扱う飲食店や大手企業でも、「本日のおすすめ」などの日替わりメニューを構え、積極的に未利用魚を利用する働きが目立ちはじめています。