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民間企業と公務員では、ボーナスの支給される時期が異なります。それぞれの支給日だけでなく、計算方法や引かれる税金についても紹介するので、基礎知識を覚えましょう。ボーナスに関する、よくある疑問にも触れています。
ボーナスはいつ支給される?
公務員から民間企業、もしくは民間企業から公務員に転職した場合は、ボーナスが支給される時期が異なる可能性があるため、事前に把握しておくと安心です。それぞれの支給時期を見ていきましょう。
■民間企業の場合
民間企業の場合は、企業ごと、およびボーナスの種類によって変わります。ただし、多くの企業で取り入れられている『基本給連動型賞与』と『業績連動型賞与』は、夏と冬の年2回が一般的です。
夏のボーナスは6月下旬から7月上旬、冬のボーナスは12月10日前後から下旬にかけて支給される傾向にあります。
『決算賞与』の支給時期は法律で定められており、事業年度終了日翌日から1カ月以内です。業績に応じて支給される賞与で、支給されないこともあります。
出典:法人税法施行令 第72条第2号の3|e-Gov法令検索
■公務員の場合
公務員の場合は、『期末手当』『勤勉手当』と呼ばれるものがボーナスに該当します。
国家公務員のボーナス支給日は法律で定められており、毎年夏のボーナスは6月30日、冬のボーナスは12月10日です。土曜日に当たるときは前日、日曜日に当たるときは前々日が支給日になります。
地方公務員の場合は、自治体ごとに違いますが、国家公務員のボーナス支給日に合わせることが多いようです。
出典:人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)第14条|e-Gov法令検索
出典:人事院規則九―四〇(期末手当及び勤勉手当)別表第3(第14条関係)|e-Gov法令検索
出典:一般職の職員の給与に関する法律 第19条の4|e-Gov法令検索
出典:一般職の職員の給与に関する法律 第19条の7|e-Gov法令検索
そもそもボーナスとは?
普段、何げなくボーナスという言葉を使っていても、具体的にどのようなものなのか説明できない人もいるでしょう。そこで、ボーナスの意味や制度を紹介します。転職する際にボーナスがどうなるのかについても確認しましょう。
■給与以外に支払われる一時金
ボーナスとは、毎月支払われる固定給以外に支払われる一時金のことです。残業代などとは異なり、『賞与』『特別手当』『一時金』などと呼ばれることもあります。
ただし、社員であれば、誰でもボーナスがもらえるというわけではありません。法律でボーナスの支給は決められておらず、各企業が支給の有無を決めます。そのため、ボーナス制度そのものがない企業もあります。
また、経営状況や業績などに基づき、支給額を減らしたり、無支給にしたりすることも可能です。
転職する場合のボーナスは?
転職をする場合は、現在の勤務先と転職先のどちらからボーナスを受け取るのかを考える必要があります。ボーナスを受け取ってから転職する場合は、ボーナスをもらうための査定期間と基準日を確認しましょう。
転職先で受け取る場合は、次のボーナスの査定期間を確認し、査定期間が始まる前に転職する必要があります。職場によってボーナスの支給条件が異なるため、しっかり確認して計画を立てることが大切です。
ボーナスの計算方法と引かれる税金
毎年ボーナスをもらっている人でも、支給額がどのように算出されているのか知らない人もいるのではないでしょうか?ボーナスの計算方法と併せて、引かれる税金についても解説します。
■民間企業におけるボーナスの計算方法
ボーナスの金額の計算方法は多々ありますが、一般的なのは『基準額×平均支給月数×評価係数』です。評価係数の設定は企業によって異なり、個人に対する人事の評価や部署の業績、役職などに応じて設定されます。評価係数が高ければ、ボーナスも総じて高くなります。
例えば、基準額は同じでも、評価係数が『1.1』と『0.9』の場合では12万円の差が出るということです。
- Aさん 基準額20万円 平均支給月数3カ月 評価係数1.1 (20万円×3×1.1)=66万円
- Bさん 基準額20万円 平均支給月数3カ月 評価係数0.9 (20万円×3×0.9)=54万円
詳しくは、所属する企業の就業規則を確認しましょう。
■公務員のボーナスの計算方法
期末手当の支給額は、『給与額×期別支給割合×在職期間別割合』で計算します。給与額には、扶養手当・地域手当・役職段階別加算額が含まれています。
勤勉手当の計算方法は、『給与額×期間率×成績率』です。成績率は、『良好でない』『良好』『優秀』『特に優秀』の四つの区分があり、それぞれに成績率が設定されています。
なお、期別支給割合は、年によって変わるため、人事院が出す『人事院勧告』を参考にしましょう。公務員のボーナスは、基本的に国家公務員と民間の給与を調査・比較して定められています。
出典:国家公務員の諸手当の概要|人事院
出典:給与勧告の仕組み|人事院
■ボーナスから引かれる税金は主に4種類ある
ボーナスから差し引かれる税金は、主に『健康保険料』『厚生年金保険料』『雇用保険料』『所得税』です。40歳以上の場合は、『介護保険料』も含まれます。
差し引かれる金額は、支給額や扶養状況などによって変わります。
なお、毎月の給与から引かれている『住民税』は対象外のため、差し引かれません。ただし、住民税額を算出するときには、ボーナスも含めた所得金額が用いられます。
ボーナスの基礎知識を覚えよう
公務員と民間企業では、ボーナスの支給日や支給額の計算方法が異なります。民間企業の場合は、法律で定められていないため、ボーナス制度を設けていない企業もあります。
また、転職を考えている人は、どちらでボーナスを受け取るのかを考慮して、転職時期を決めることが大切です。ボーナスから引かれる税金などの基礎知識を覚えて、実生活に生かしていきましょう。
構成/編集部