花見で気にすること
回答者全体の606人に職場の花見で気にすることを聞くと、上位3つの回答は「場所取り」が41.7%で最多となり、次いで「立ち回り」が35.6%、「周囲の人からの目」が32.5%となった
。同回答者に職場の花見は仕事に入るかを聞くと、「仕事派」が60.5%で過半数を占め、内訳は「断然仕事」17.5%、「仕事」12.5%、「どちらかといえば仕事」30.5%だった。
■今後の盛衰予想
回答者全体の606人に職場の花見への時代的なイメージを聞くと、「昭和のイメージ派」が77.1%で過半数を占め、内訳は「とても昭和のイメージ」28.7%、「昭和のイメージ」24.3%、「どちらかといえば昭和のイメージ」24.1%だった。
同回答者に今後の職場の花見の盛衰予想を聞くと、「無くなっていくと思う派」が85.8%で過半数を占め、内訳は「とても無くなっていくと思う」20.6%、「無くなっていくと思う」27.7%、「どちらかといえば無くなっていくと思う」37.5%となっている。
■路上飲みの賛否
回答者全体の606人に路上飲みへの賛否を聞くと「反対派」が69.2%で過半数を占め、内訳は「とても反対」20.0%、「反対」17.5%、「どちらかといえば反対」31.7%だった。
同回答者に花見時期の路上飲みの賛否を聞くと「許されると思う派」が52.0%で過半数を占め、内訳は「とても許されると思う」8.1%、「許されると思う」11.7%、「どちらかといえば許されると思う」32.2%となっている。
調査まとめ
株式会社ライボ コミュニケーション戦略部 部長
広報グループ長兼「Job総研室長」堀 雅一 氏
今回実施した「2024年 職場の花見実態調査」では、コロナ5類移行後初の花見時期にあたる今年の実施率が1割と、4年間のコロナ禍をまたいでも回復が見えない結果となりました。
今後の参加意欲でも、全体の7割が「参加したいと思わない」と回答し、その理由には「プライベートの優先」や「気遣い疲れ」が挙げられました。
さらに、職場の花見へのイメージでは「立ち回りを気にする・新人が頑張る」催しや「場所取りへの注力」が挙げられるなど、プライベートで実施する場合でも、仕事と同様に振る舞う必要性を感じている回答が多く見られ、これらの意識が参加意欲に繋がっていると考えられます。
また、職場の花見で気にすることでも「場所取り」や「立ち回り」が挙げられていることが背景となり、全体の6割が職場の花見は「仕事に入る」という認識を持つ結果となりました。
さらに、職場の花見で酔っ払う上司を見た場合の心情を聞くと、「特に気にしない」が最多回答となるものの、「酔っ払う姿は見たくない」や「尊敬が失われる」などネガティブな反応も見受けられました。
上司に対する尊敬の念を崩したくない様子は、社内から一歩外に出ても、仕事として接する意識を持っているからだと推察できます。
そして、全体の9割が職場の花見文化は今後「無くなっていくと思う」と回答しています。この背景には、職場の花見は仕事と捉えている人が多数であることに加え、全体の8割が職場の花見に「昭和のイメージ」を持っていることが関係していると考えられます。
昭和のイメージが定着しているのは、花見で気にする項目として挙げられた「立ち回り・場所取りへの注力」「新人が頑張る催し」からも推察できます。
最後に、全体の7割が路上飲みに「反対」と示しているものの、全体の半数は花見時期の路上飲みは「許されると思う」と回答するなど、路上飲みは花見時期になると許容されやすくなることがわかります。
5類移行後も実施率及び参加意欲も低く、さらには今後も無くなっていくと考える社会人が多いことから、職場の花見文化は衰退傾向にあることがわかりました。
花見ではルールを守ることが前提とされていますが、騒音や片付けだけでなく、場所取りの時間帯等のマナーに関する問題も未だ存在します。
しかし、都内のハロウィンをはじめ、コロナ禍で社会問題になった路上飲みも、「花見」という目的がある場合は、一定社会的に寛容になる風潮が読み取れました。
職場の花見文化は新年度の交流を目的として開催されることが一般的ですが、花見を通した職場での交流に”気疲れ”を感じている社会人が多いことを踏まえると、役割が強制されない、フラットな関係で参加できるような「花見以外」の機会を創出するなど、別の手段で交流を深めていける可能性が見える調査結果となりました。
調査概要
調査対象者/現在職を持つすべての社会人でJobQ Town(ジョブキュータウン)の登録者
調査条件/全国の20~50代男女
調査期間/2024年2月21日~2月26日
有効回答/606人
調査方法/インターネット調査
関連情報
https://job-q.me/articles/15553
構成/清水眞希