メタ認知能力を高める方法
自分のメタ認知能力が低いと感じる人は、トレーニングによって能力を高める努力をしましょう。一朝一夕で身に付くものではないため、毎日の積み重ねが大切です。今日からすぐにできる方法をピックアップして紹介します。
(1)日記・ライティングで考えを可視化する
一つ目の方法は、日記・ライティングによる思考の可視化です。思いを自由に書き出すことで、今の自分の状態や思考の癖などがわかります。継続的に続ければ、自分を客観視する能力が培われる上、多くの新しい気付きが得られるでしょう。
最初のうちは1行だけでも構いませんが、慣れてきたら10~20分ほどの時間を確保し、頭のなかにある思考を全て書き出します。
ポイントは、できるだけ手を止めずに書き続けることです。ベッドの脇にメモとペンを用意しておき、寝る前の習慣にするとよいでしょう。
(2)セルフモニタリングで自分を客観視する
二つ目の方法は、自分の思考や行動を客観的に観察・分析する『セルフモニタリング』です。「何をしている?」「何を考えている?」と問いかけをすると、より自分と向き合いやすくなります。頭で考えるだけでなく、メモに書き出してみるのも有効です。
セルフモニタリングを続けていくなかで、思考や行動の癖が浮き彫りになります。課題が見つかった場合は、改善策を考えて実行に移しましょう。このプロセスは、メタ認知的コントロールと呼ばれます。
メタ認知的モニタリングとメタ認知的コントロールを繰り返すことで、メタ認知が徐々に鍛えられます。問題解決能力の向上やストレスの軽減にもつながるでしょう。
(3)瞑想で自分の感情を受け入れる
三つ目の方法は、『瞑想』です。瞑想は元々、禅僧が悟りを開くために行なう精神修行の一種でした。近年は、今この瞬間に意識を集中させる『マインドフルネス瞑想』を取り入れている企業が増えています。
瞑想をすると、メタ認知が向上するだけでなく、不安やストレスが軽減されるといわれています。まさに、ストレスフルの現代人にはぴったりの方法です。
瞑想は、リラックスした姿勢で行ないます。静かな環境に身を置き、目を閉じた状態で呼吸に意識を向けましょう。雑念が浮かんでも否定せず、ただあるがままに受け入れます。呼吸に意識を向け続けていると、次第に思考が止まり、今に集中できるはずです。
メタ認知の活用で自身をコントロールしよう
朝起きた瞬間から寝る直前まで、私たちはさまざまなことを考えています。常に思考しているのにもかかわらず、自分を客観的に分析できている人はそう多くはないのではないでしょうか?
メタ認知能力を高めると、感情に振り回されずに、冷静な判断ができるようになります。コミュニケーション能力や問題解決能力の向上も期待できるため、仕事ではより良い結果を出せるでしょう。
一方で、メタ認知が過剰に働くと、自分らしさを発揮しにくくなります。メリット・デメリットを理解した上で、日々の生活や仕事に生かしましょう。
構成/編集部