子どもたちの可能性を拡げるのは、小さな一歩目から
2024年現在、きっかけプロジェクトで継続支援を行う支援者の数は100人を超えた。現在はあしたの寺子屋が事業で関わる地域や、地域で学校と地域をつなぐ教育コーディネーターがいる北海道を中心とした、23の市町村の子どもたちを対象としているが、今後は徐々に地域を広げて展開を目指す。
「きっかけプロジェクトは、子どもたちだけのものではありません。僕たちはこのプロジェクトを通して、大人たちに地域の子どもたちへの『関わりしろ』を増やすことも目指しています。子どもたちに自分の経験を話すことは、実は大人にとっても過去を振り返り、自分の原体験に立ち戻る大切な瞬間。一方的に子どもたちに与える、支援する立場ではなく、大人にとっても明日の挑戦に繋がるような場になればいいです。きっかけプロジェクトを永く継続して運営するためにも、そういった思いを大切にしています。」
きっかけプロジェクトは大きな夢を叶えたり、人生が変わるほどの経験をする場ではない。
「このプロジェクトで何かができるようになったり、何かをすごく学べる、ということではない。それよりも、次にまた何か挑戦するための準備運動の場だと考えています。プロジェクトに参加した子どもたちからは、次はこういうことをやってみようと思うとか、次はこんな人の話を聞いてみたいとか、自然と『次』という言葉が出てきます。僕たちが応援できるのは、ほんの小さな一歩目だけかもしれない。だけどその一歩目こそが、その先の挑戦に繋がる二歩目、三歩目になる。こうした取り組みが地域を超えて広がることで、子どもたちの可能性がどんどん広がっていくことを目指しています。」
【クラウドファンディングページ】
地域の子どもが越境・挑戦するための「きっかけ奨学金」を、「きっかけびと」と創るプロジェクト
【取材協力】
株式会社あしたの寺子屋の代表取締役社長・嶋本勇介さん
取材・文 / Kikka