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耳に引っかけるだけ!デザインが斬新すぎるワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeClip」が問う〝常時装着〟の可能性

2024.03.11

■連載/石野純也のガチレビュー

 クラウドファンディングで先行販売し、5000万円以上の出資を受けたファーウェイの新製品が注目を集めている。耳にかけるイヤホンの「HUAWEI FreeClip」だ。一般的なイヤホンは、カナル型であれ、インナーイヤー型であれ、耳の穴に機器を入れるのが一般的。これに対し、FreeClipは耳を挟むようにかけるだけ。耳の穴には何も入れないのが特徴だ。スピーカーから、耳に対して指向性のある音をダイレクトに届けている。

 その形状を見ると、盛大に音漏れしてしまいそうに見えるが、ファーウェイはここにノイズキャンセリングの技術を応用。流れている音と逆位相の音を周囲に出すことで相殺する。あたかも通常と同じようなイヤホンを装着しているかのように、自分にだけ音が聞こえるような仕組みになっているという。その技術は、「HUAWEI Eyewear」などの製品で培ってきたものだ。

 では、実際の音や使い勝手はどうか。音漏れしづらいといううたい文句も本当なのか。実機を使い、FreeClipの実力をチェックした。

クラウドファンディング先行で発売されたFreeClipだが、現在は一般販売も始まっている。価格は2万7800円

イヤホンとは思えない軽いフィット感、周囲の音もしっかり聞こえる

 以下の写真を見ると分かるように、FreeClipはイヤホンとして非常に特殊な形状をしている。豆のような形にも見えるパーツと球状のスピーカーが、U字型のパーツで接続されている。このデザインをファーウェイは「C-bridge Design」と呼ぶ。湾曲したパーツは柔らかく、少し力を加えただけでグニャっと曲がるようになっている。この形状で、人によって異なる耳の形や厚さをカバーする。装着時のフィット感がいいのは、そのためだ。

2つのパーツを柔らかな線でつないだような形状。丸型の方が、スピーカーだ

 装着時には、両端が耳の内側と外側に配置されるようにかける必要がある。耳の穴に差し込むタイプのイヤホンと違い、耳に引っ掛けているだけなので、やや不安感があるかと思いきや、適度な力がかかりしっかりと耳に合うよう固定される。かと言って、一般的なイヤホンのように、耳の中に異物が入っているような違和感はない。一言で言えば、自然な着け心地だ。

 こうした特徴もあるため、長時間着けていても耳が痛くなるようなことが少ない。むしろ、着けているのを忘れてしまうかのように存在感が薄い。もちろん、これはいい意味でだ。そのため、例えば1時間以上に渡るビデオ会議で着けていても、耳が疲れなかった。自然に装着できるという意味では、既存のイヤホンを大きく上回る。

豆型の「コンフォートビーンズ」と、ドライバーユニットのある「アコースティックボール」で耳を挟み込む形で装着する

 また、耳の穴をふさがない形状のため、周囲の音をしっかり聞き取ることが可能だ。サウンドを止めてしまえば、イヤホンを着けていない時とまったく変わりがない。音が小さければ、スピーカーから流れてくるサウンドと、周囲の環境音が両立する。外音取り込み機能を備えたイヤホンも徐々に増えているが、FreeClipの場合、外音そのものが耳に入ってくるため、自然さでは群を抜く。

 そのため、外出時に装着して、そのまま1日過ごすこともできる。一般的なイヤホンのように、音を聞く時だけ装着し、聞き終わったら外すといった作業が必要ない。その意味では、日常生活になじむイヤホンと言っていいだろう。連続駆動時間は8時間。音楽を再生していなければ、この時間はさらに長くなる。帰宅が夜遅くにならないようであれば、十分、丸1日バッテリーが持つ。常時装着が前提にできる点で、既存のイヤホンとは立ち位置が大きく異なると言えそうだ。

写真は発表会でのスライド。音楽再生時間は8時間だが、装着したまま無音で過ごす時間が長ければ、1日装着したままでもバッテリーはなくならない

音はナチュラルで想像以上にきちんと聞こえる、動画視聴もしやすい

 バッテリーを兼ねたケースで急速充電できるのは、ほかのワイヤレスイヤホンと同じ。充電ケースを併用した際には、音楽再生時間が36時間まで延びる。丸1日を超えているため、毎日寝る前に充電するよう習慣づけておけば、外出時にバッテリーの心配をする必要はなさそうだ。あくまでイヤホンだが、どちらかと言えばウェアラブルデバイスに近い位置づけと捉えることもできる。

通常のワイヤレスイヤホンと同様、ケースがバッテリーを兼ねている。10分の充電で3時間の音楽再生が可能。ケースのバッテリーを最大まで使えば、音楽再生は36時間まで延びる

 着け心地に加え、デザインも常時身に着けておきやすい。試用したのはブラックだが、光沢感があって遠目で見るとピアスやイヤリングのようなアクセサリーにも見える。ブリッジ部分が細く、光沢も適度なため、目立ちすぎる心配がない。それぞれのパーツが小ぶりなため、イヤホンを装着している感覚が薄くなる。機能性や装着感はもちろん、デザイン性も常時身に着けるために最適化されていると言えそうだ。

 一般的なイヤホンと比べると、耳穴とスピーカーが離れているため、音質には不安もあったが、実際に聞いてみると音質はナチュラル。やや低音が弱い印象もあるが、形状から受ける印象以上に音圧は強く、サウンドが際立って聞こえる。ただし、ノイズキャンセリングに非対応で、かつ耳がふさがれていない仕様のため、周囲の音が丸聞こえになってしまう。電車や車の中など、騒音が大きい場所では音が不明瞭になる点は、FreeClipの弱点と言えるかもしれない。

 それでも、街の雑踏程度には負けない音が出ているため、外で音楽を聞くことは可能だ。また、常時着用しやすいため、スマホで動画を気軽に再生できる。最近では、X(旧Twitter)やInstagramのタイムラインに動画が流れるのは一般的。ニュースの記事に動画が埋め込まれていることもある。文字を読むのと動画の視聴がシームレスになりつつあると言えるだろう。外出先でイヤホンがないと、ここで音を再生することができない。

SNSでは、写真や記事へのリンクと動画が等距離で並ぶ。イヤホンを常時装着しておけば、こうした動画を躊躇なく再生することができる

 イヤホンを持っていればそれを装着すればいいが、短い動画のためにわざわざカバンやポケットから取り出すのは少々面倒。FreeClipのようなイヤホンを常時耳につけておけば、こうしたことを気にせず、当たり前のように動画を再生し始めることができる。電話もサッと取ることができ、素早く反応したい時に便利。身に着けておくことで、スマホの使い方が変わる可能性も秘めている。

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