誰かの疑問や悩みに答えることで自己肯定感がアップする
今回、トライアルとして「marbleMe」に筆者も参加した。
トークルームでは、「今夜の献立は?」「夕飯は夫と自分、どちらが担当?」などの気軽なテーマから、周囲には相談しにくいようなディープなテーマまで、日々の疑問や気づきに関するトークが行なわれていた。
自分の悩みを書き込んでみようかと考えてみたが、以前、自分自身もあれこれ悩んだなあと感じたお悩みへコメントしてみた。すると、「そこは考えていなかったので、参考になりました」とのコメントが。ちょっとお役に立てたようでうれしい。近しい人には、おせっかいすぎて遠慮してしまうことも、ここなら話せるかもと感じた。
人に話すほどでもないかなと感じる不安や疑問。ひとつひとつは小さくても普段からアウトプットを習慣化するのはいいことかもしれない。そうすることで、大きな悩みも相談しやすい気持ちに変化するのではないだろうかと期待できた。
「marbleMe」はなぜBtoBサービスなのか?
データも交え説明する鬼武さん(左)と虎谷さん。「marbleMe」が企業にもたらすうれしい変化に思わず笑顔がこぼれる。
「marbleMe」を展開する「BIPROGY」は、三井グループに所属する各社からメンバーが集まり、調査やレポートの発表を定期的に行なっている。これまで消費者に向けて何かを作るということはなかったが、新たなことにチャレンジしたいというファーストペンギン的なメンバーが集まり、スタートしたという。
「marbleMe」がB to Bサービスである理由には、こんな背景があった。
とある試算によると、更年期やPMSなどで仕事のパフォーマンスは45%以下に下がるといわれている。つまり、それが改善されれば、各企業の生産性は向上する。
実際、生理痛で会社を休んだことがある人は4割に上る。企業が「marbleMe」を導入するメリットは、生産性向上の可視化だ。
「marbleMe」を導入すると、導入前後の生産性が時間と金額をベースに数値で報告される。また、もっともユニークなのは、それらから収集されるデータだ。身近な人には相談できない内容で、他には流出していない事柄のため、分析することで、改善点や新たなサービス向上につながるという。
「marbleMe」は女性や企業に変化をもたらすきっかけになるか
「人生の選択肢は多いですが、女性が自分自身の生き方・働き方を他人に何ら評価されることなく選択できるようになればいいなと思いますし、『marbleMe』がそのきっかけになればうれしいです」(虎谷さん)
女性は、子どものこと、仕事のことを優先しがちで、自分の時間があまりない場合も多く、「marbleMe」を活用することで、自分自身と向き合うきっかけになればいいという。それによって、自分のことを考える物理的な時間と、「自分が何をしたいか」という自分軸で選択する考え方がもたらされたらうれしい。
「人生100年時代。働きたいように働くのが当たり前。時代も、今がそういうタイミングだと感じます」(鬼武さん)
社会も変わり始めているからこそ、自分も変わってみようとトライしやすいタイミングかもしれない。今後、より多くの人に「marbleMe」を活用してもらえるよう、新たな試みも企画中だ。
1週間余り、「marbleMe」を体験してみたが、同じ悩みを抱える人からの返信や共感がうれしいと感じた。今後、サービスの広がりとともにアクティブユーザーが増え、より充実するのではないかと期待する。
直接的ではなくとも、気づきをもらえる「marbleMe」のサービスは、自分自身が変われるきっかけをくれるかもしれない。「自分が変われば、世界が変わって見えるかも」という鬼武さんの言葉が印象的だった。
取材・文/林ゆり、撮影/田中麻衣(小学館)







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