女性の活躍の場は確かに広がっているように見えるが、実際に働く女性にとって改善の実感はあるのだろうか。ライスステージや自身の体調の変化により、希望通りの仕事を続けるのが難しい場面もある。
そんな女性たちの課題を企業の垣根を越えてサポートしようとスタートしたのが「marbleMe(マーブルミー)」だ。
働く女性を支える新たなサードプレイスが誕生
その日の気分の入力から始まる「marbleMe」のホーム画面。
■そもそも「marbleMe」とは?
「marbleMe」は、同じような悩みを抱える人たちとオンライン上のサードプレイスで対話することで、気づきや課題解決のヒントをもらえるコミュニティサイトだ。
サイトに参加できるのは、同サービスを導入する企業で働く女性従業員。日々のちょっとした悩みごとや、話してみたいことを書き込むと、その話題に興味を持った人がチャット形式で参加するトークルームや、専門家にアドバイスを求められる質問箱、さらには専門家へのオンライン相談などを活用できる。
また、ウェビナー形式のライブトークや少人数制の座談会といったイベントも開催され、専門家のトークを聞いたり、同じ悩みを持つ人たちと話したりすることもできる。
■女性が相談しやすい環境を追求したサービス
企業単位で導入がなされるとはいえ、匿名性はきちんと守られる。トークルームではルームごとのニックネーム表記となり、コメントをしている人を特定することができない仕組みだ。また、座談会の場合はお互いの顔が見えるため、同じ企業の人同士が参加しないように配慮されているそう。
悩みの内容によっては、近しい人に相談するのをためらってしまうこともある。そのため、匿名にしているという。
「例えば、生理痛がひどくて休みたいと思っても、上司が男性だと話しにくく、理解されないことがあります。とはいえ、女性上司なら大丈夫というわけではなく、生理痛が辛くない女性もいますし、その場合、同性であっても辛さは理解されにくいこともあります」と話すのは、marbleMe事業責任者である鬼武辰徳さん。
確かに、女性特有の悩みは十人十色で、個別性が高い。また、自分自身の健康面だけでなく、子育てや介護の問題など、複合的な悩みが重なった時、それを会社側に100%考慮してもらうのは難しい。「社内の人間に相談したら、昇進に影響するかもしれない」など、相談してみたいけれどできない状況の人もいるだろう。
また、悩みの内容によっては、家族にも言いにくいことだってある。そこには、家族の問題も含まれるだろうから。
そんな時のサードプレイスとして、いわゆる〝同士〟に会える場が「marbleMe」だ。
悩みを共有することで、自分だけではなかったと思えたり、ちょっと気が楽になったりした経験はないだろうか。また、「実際に会うことのない相手」だとわかっているからこそ気楽に話せることもある。「marbleMe」では、そんな一期一会が日々、生まれている。
■セミナー形式ではなく対話型を重視
「marbleMe」では、同じ悩みを持つ人と共に参加する対話型の座談会を採用しているのが特徴。参加申し込みは、開催当日まで可能だ。
あらかじめテーマが決まっているため、興味のある座談会に申し込むだけでOK。ちょうど昼休みの時間帯に開催されているので、働いていても参加しやすい。
「セミナー形式の場合、知識や安心感は得られますが、自分は何をしたらいいかわからないままです」(鬼武さん)
確かに、悩みは1人ずつ違うため、一方的なセミナー形式だと、自分にどう当てはめたらいいかわからなくなるというのは納得だ。
座談会は、月に数回のイベントとして開催される。タイミングが合わなければ、専門家に直接1対1で質問できる予約制のオンライン相談もある。こちらも、お昼休みと夜の時間帯に設定されている。
「無償ケアは女性の負担が多いこともあり、それをストレスに感じている人もいます。男性側にも気づいてもらえたらいいですよね」(marbleMe 虎谷奈津美さん)
無償ケアとは、家事や育児など、収入を得るためではない仕事のことだ。これは、周りでもよく耳にする。同じように働いているのに、なぜか家事・育児は基本的に女性が行なっている家庭も多いようだ。
このように女性同士だからこそ共感し合える悩みを吐露するのにも、「marbleMe」は向いているだろう。