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賃貸仲介の業況DIは東京23区で上昇、売買DIは下落エリアが多数

2024.03.08

不動産情報サービスのから「地場の不動産仲介業における景況感調査(2023年10~12月期)」が発表された。

この調査は、地域に根差して不動産仲介業に携わるアットホーム加盟店を対象に、全国13都道府県14エリアの居住用不動産流通市場の景気動向について、四半期ごとにアンケート調査を実施・公表するもので、2014年1~3月期に開始されて今回(2023年10~12月期)が40回目となる。

本稿では、その内容を一部抜粋してお伝えする。

※業況DI:DIとはDiffusion Indexの略で「指数」を意味する。業況DIとは業況判断指数の略で、経営者などが景気をどう見ているかの回答をもとに算出される。

賃貸仲介〜首都圏の今期業況DI は前期比上昇に転じ、前年同期比もプラス

賃貸仲介における今期(2023 年10~12月期)業況DI は、首都圏で前期比+2.1 ポイントの48.6と3期ぶりに上昇。前年同期比は+5.6ポイントで11期連続のプラスとなった。一方、近畿圏は前期比-0.8 ポイントの41.7 と3 期連続で下落。前年同期比は7期連続のプラスを維持したものの+0.1ポイントにとどまった。

来期の見通しDIは首都圏53.6、近畿圏は50.9と両エリアともに上昇が見込まれている。

■出社の増加や繁忙期の早まりで東京23 区は業況DI=50.5と再び上昇。京都府は4期連続で50超

エリア別の業況DI は、全14エリア中9エリアで前期比上昇、前年同期比は10エリアでプラスとなったものの、前年と同水準のエリアが多数。

首都圏では、神奈川県以外の4エリアで前期比・前年同期比ともにプラスとなった。今期業況DI が50.5 と高かった東京23 区の不動産店の声からは「テレワークが落ち着き、出勤も増えつつある(東京都中野区)」「繁忙期が年々早まり12~2 月がトップシーズン(東京都新宿区)」など、出社が増加したことによる会社員の住替えニーズや、借手の動き出しの早さがプラス要因となっている様子が推察できた。

近畿圏では、大阪府・兵庫県は前期比下落、前年同期比は横ばいまたはマイナスとなった。一方、京都府は前期比反転上昇し、業況DI は51.9 と4期連続で50を超えた。「観光業界の採用が飛躍的に増えている(京都府京都市)」など、観光業の活性化に伴い従業員の住まい探しニーズが増えたことも好調の一因のようだ。

その他6エリアでは宮城県・愛知県が前期比・前年同期比ともにマイナス。特に宮城県は業況DI が30 台に落ち込んだ。それ以外の4 エリアは前期比・前年同期比ともにプラス。

全体的には、「転勤に伴う法人契約の社宅案件が増えた(千葉県千葉市)」「法人チェーンの出店意欲があがってきている(兵庫県神戸市)」など、企業活動の活発化に伴い賃貸ニーズが増えたとの声がある一方、「初期費用の値下げや部屋探しの長期化(宮城県仙台市)」「低家賃物件を探す方が目立つ(愛知県尾張旭市)」と、低予算化や契約までの長期化など停滞感を指摘する声も多かった。

なお、来期の見通しは上向きが多数で、コロナ5 類移行後初めての繁忙期に対する期待感が垣間見える。

売買仲介〜首都圏・近畿圏ともに21年Ⅰ期から続くレンジ内での推移を継続

売買仲介における今期業況DIは首都圏・近畿圏ともに前期比上昇し、首都圏が+0.4 ポイントの44.3、近畿圏が+3.4 ポイントの45.1 となった。前年同期比は首都圏が-0.3 ポイント、近畿圏が+0.2ポイントとほぼ横ばい。

21年I 期以降、首都圏DI=46、近畿圏DI=44 を挟んで概ね±2ポイントのレンジ内での推移が継続している。来期の見通しDI は、首都圏42.9(今期比-1.4 ポイント)、近畿圏45.0(同-0.1ポイント)とともに下落が見込まれている。

■前期比・前年同期比ともに下落エリアが多く、全体的に横ばいから緩やかな下げ基調

エリア別の業況DI は、前期比で全14 エリア中8 エリアが下落、前年同期比では11エリアがマイナスと全体的に横ばいから緩やかな下げ基調となった。

首都圏では、東京23 区が2 期連続で下落したもののDI=46.8 とその他首都圏エリアに比較すると高い水準を維持している。近畿圏では京都府が+6.4ポイントと大幅上昇しDI=51.7。前年同期比も+7.8 ポイントと大幅なプラスとなった。その他6エリアはいずれも、前期比・前年同期比ともにマイナスだった。

堅調な東京23 区と京都府では「物価が上昇したにもかかわらず住まいの購入意欲は高い(東京都渋谷区)」「外国籍の方(欧米・アジア)の購入希望が多かった(東京都千代田区)」「収益物件の顧客が増えた(京都府京田辺市)」「関東からの移住者が目立つ(京都府京都市)」など、依然として購入意欲が旺盛との声が目立った。

全体的には「客足が少なく在庫が増えていることを知り、値引き交渉をしてくる方が増えた(北海道札幌市)」など、在庫物件の増加に関連するコメントが目立ちはじめた。また、「注文住宅の建築費用の上昇が著しく、土地にかけられる費用が減少して決まりにくい(宮城県仙台市)」「物件価格の高騰で客足が遠のいている(福岡県福岡市)」のように、建築コストや物件価格の高騰による購入意欲の減退を指摘する声も多かった。

一方で、「新築マンション購入希望者が、価格と広さが条件に合わないので中古マンションの検討に変えた(大阪府大阪市)」のように、価格の抑えられている中古のニーズが増しているという声も聞かれた。

なお、来期の見通しDI は、全14エリア中6エリアで上昇、8エリアで下落が見込まれている。

調査結果について

アットホームラボ株式会社 執行役員 データマーケティング部 部長 磐前 淳子氏は下記のようにコメントしている。

■賃貸は繁忙期が早まる傾向。売買は在庫過多で停滞感が見えるも、都心の需要は依然旺盛

賃貸の業況は前年と同水準のエリアが多い中、東京23区と京都府は前期比・前年同期比ともにプラスとなりました。東京23区の好調は、出社率の上昇に伴う職住近接・人口流入の回復が一因です。繁忙期が早まっているとの声もあります。

売買では売り買いの希望価格の乖離などから在庫過多の傾向が見られますが、東京23区、特に都心では需要が旺盛です。

調査概要
調査期間/2023年12月12日~12月25日
対象/北海道、宮城県、首都圏(1都3県)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県のアットホーム加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて仲介業に携わっている不動産店。有効回答数は1913店。
(注)本調査で用いているDIは、全て前年同期に対する動向判断を指数化したものです。

関連情報
https://athome-inc.jp/news/data/market/

構成/清水眞希

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