ファミリーマートから2月27日より販売されている「生しっとりパン」シリーズ、「生クロワッサン(ダブルチョコ)」「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」「生コッペパン(コロッケ)」の3種が発売から3日間で120万食突破した。
「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」と「生コッペパン(コロッケ)」は、昨年発売し、累計販売数1億2000万食を突破した人気ベーカリー「生コッペパン」シリーズの新商品でもある。
ファミリーマートは昨年の「生コッペパン」に続き、「生しっとりパン」を今年のヒット商品にすることができるのだろうか!
「生しっとりパン」ってどんなパン?
‶パンのファミマ〟のイメージを作り出したか数々のヒット商品
ファミマから昨年発売された「生コッペパン」シリーズは、「コッペパンはパサパサしている」というイメージを払拭し、コッペパンに対する新たな価値観を提供することに成功した。美味しいというだけにとどまらない商品開発に消費者の関心は高く販売から1年で累計1億2000万食を突破する大ヒットとなった。
「生コッペパン」シリーズ
さらに弊誌『DIME』をはじめ多くの媒体が昨年のヒット商品に名前を挙げた商品だ。
ファミマは昨年10月には「ファミマ・ザ・パン」シリーズを刷新し、定番のメロンパンを記事から見直した「ファミマ・ザ・メロンパン」を販売。「ファミマ・ザ・パン」シリーズも販売から3日で累計販売数100万食を突破している。
「ファミマ・ザ・メロンパン」
次々とヒット商品を生み出しているファミマの新作が「生しっとりパン」シリーズだ。
「生しっとり」という表現ではいったい何のパンか全くわからない。メロンパンなのか、あんパンなのか、それとももっと違う新しい何かなのか。
もしかしたらこうした思いを巡らせることすらもファミマの戦略かもしれない。
スタート絶好調の「生しっとりパン」シリーズ
「生しっとりパン」シリーズは、「生クロワッサン(ダブルチョコ)」、「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」、「生コッペパン(コロッケ)」の3種類から発売されている。
さらに上記「生しっとり」の三種はそれぞれ「しとふわぁ」「しともちぃ」「しとむちぃ」の食感を有しているらしい。
それぞれの特徴は以下の通りだ。
・「しとふわぁ」の「生クロワッサン(ダブルチョコ)」
しとふわぁ
「生クロワッサン(ダブルチョコ)」はチョコレートホイップとチョコレートクリームの2種類のチョコレートサンドしている。
クロワッサンといえば「サクサクしている」というイメージが強いが、実は袋パンにとって「サクサクしている」は苦手な分野。袋の中で水分が回ってしまうため焼き立てはサクサクでも、消費者が購入する頃にはサクサク感は失っている。
本商品はあえて「しっとりふんわり」を追及。中に空洞を作り、さらに不均一な層を作ることで、その空洞がつぶれないようにしている。
その結果、しっとりしながらもふんわりしたクロワッサンに仕上がっている。
・「しともちぃ」の「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」
しともちぃ
これまで販売していた「生コッペパン」シリーズだが、総菜パンは‶しっとりもっちり生地〟、菓子パンが‶しっとりくちどけ生地〟だった。
「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」では、女性人気の高い白生地を採用し、「しともちぃ」、つまりしっとりもっちり生地に仕上げ、カスタードクリームとミルク風味のホイップクリームを挟んでいる。
「白生地」は、焼き色を付けないために低温で焼き上げる必要がある。しかし低温すぎるとべちゃっとしてしまい、反対に焼きすぎるとパサついてしまう。
「白生コッペパン(カスタード&ホイップ)」の「しともちぃ」は、生地の配合や焼き方を試行錯誤しようやく完成させている。
・「しとむちぃ」の「生コッペパン(コロッケ)」
しとむちぃ
ボリュームのあるコロッケを使用した「生コッペパン(コロッケ)」はコロッケの存在感に負けない食感を追及している。今回は、「生コッペパン」シリーズでありながらコロッケパン専用に新しい記事を作成。
従来でも「しっとりもっちり」だったが、さらにそれを超える「しっとりむっちり」を考案。時間がたってもしっとりと弾力のある食感が持続している。
コロッケにもこだわりを持たせるため、ソースを2種類使用。コロッケにしみこませるソースには甘みのあるソース、パンにコロッケを挟んだ後に塗るソースには、パンやコロッケに吸われないようにコクのあるソースをそれぞれ使用。
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次々にパンのヒット商品を生み出すファミマ。今回販売する「生しっとりパン」シリーズで消費者の‶パンといえばファミマ〟のイメージをさらに定着させることができるだろうか。
取材・文/峯亮佑