ゲーミングギアや補聴器で培われた技術を採用
――以前に比べて完全ワイヤレスイヤホンの音質はかなり向上してきました。Jabraの目指すサウンドとは?
ラバーニ氏:より没入感のあるサウンドが求められていると思います。Jabraのサウンドの本質はミュージシャンが演奏した音を再現すること。イヤホンの中で鳴っているというよりは、周りから音が聞こえてくる、ライブサウンドの再現です。それには、チップセットだけでなく、ソフトウェアの技術が必要で、例えば映画の爆発音をAIの技術でより本物のように聞こえるような表現を目指しています。
空間サウンドとは まさにそのことで、 前から後ろから頭を超えて音が聞こえてくる。GNグループはゲーミング部門の「SteelSeries」を展開していますが、ゲームの世界では背後から近づいてくる敵を察知するためなど、どこから音が聞こえてくるかが重要です。 実は「Jabra Elite 10」ではゲーミングギアでも使われてる技術がたくさん入っているんですよ。
――最後に、今後目指されている方向性などあれば教えて下さい。
ラバーニ氏:まだまだ私たちには解決すべき問題があると認識しています。 例えば、ノイズキャンセリングで周囲の雑音を完全に消したいシーンと、外の音を聞きたいシーンがあります。それらのシーンにあわせて、いかにスムーズに切り替えられるか。こうした課題を今後の開発で解決していきたいと思っています。
――具体的なアイデアがあるのでしょうか?
アイデアはありますが……新製品の発表まで少しお待ちください(笑)。
手にしているのは、最新のフラッグシップモデル「Jabra Elite 10」と、MIL規格にも準拠の「Jabra Elite 8 Active」。
取材・文/小口 覺