ゲーム『ELDEN RING』の大ヒットで業績好調だったバンダイナムコホールディングスに、暗雲が立ち込めています。2024年4-12月の営業利益は、前年同期間の3割減となる782億円でした。
業績の下押し要因となっているのが、主力の一つであるゲーム事業。ファンを多く抱える『アイドルマスター』の新作と、期待の高かった『ブループロトコル』の不調です。
5タイトルの開発から手を引くなど、ゲーム事業の見直しを迫られました。
リリース前から大きく期待されていたアクションRPG『ブループロトコル』も……
売上高1兆円を達成できるかどうかの瀬戸際に
バンナムは2月14日に通期業績の下方修正を発表しています。1,250億円としていた営業利益を、予想比34.4%減の820億円としました。
バンダイナムコは保守的に業績予想を出す会社。2022年3月期、2023年3月期の売上高は、期首に出した予想よりも1~2割高い数字で着地をしています。金額にすると、予想よりも1,000億程度が上乗せされているのです。
2月14日の下方修正時は売上高の修正は行っておらず、1兆円を見込んでいます。
※決算短信より筆者作成
2024年4-12月の売上高の予想に対する進捗率は77.2%。2023年4-12月の進捗率は84.4%でした。10%近く後退しています。2023年4-12月の実績値に対する進捗率は75.1%で、バンナムの今期の数字と似ています。
すなわち、今期の売上高は1兆円届くかどうかギリギリのラインにいるということであり、これまでの業績予想とその進捗を考慮すると、1,000億円前後の売上高が見込めなくなったと言えるでしょう。
バンナムのゲーム事業は、売上高全体の4割を占めています。2024年3月期の売上高は、前期比6.6%減の3,600億円、営業利益は同98.0%減の10億円を見込んでいます。
『ブループロトコル』『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』(シャニソン)という強力なタイトルをリリースしているにも関わらず、業績が冴えません。