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群れで行動するペンギンのとある習性に由来する「ファーストペンギン」という言葉。ビジネスシーンでは勇敢な人物に対して敬意を込めて使われることも多い。
本記事では、ファーストペンギンの詳しい意味や語源、言い換え表現について解説する。近年はドラマのタイトルにもなったことから、より広く知られるようになったファーストペンギン。気になる人はチェックしてみよう。
ファーストペンギンの意味
ファーストペンギンは元来、群れで行動するなかで、魚を求めて最初に海へ飛び込むペンギンのことを指す。天敵が潜む海へ飛び込むことはリスクの高い行為だが、ファーストペンギンは後に続くペンギンよりも多くの餌が得られる。
ペンギンの群れにはリーダーが存在せず、どのような場面でも「最初の一羽」が安全を確認し、仲間たちが追従していく。ビジネスシーンにおいては、リスクを恐れずに初めてのことに挑戦する人材のことを「ファーストペンギン」と呼ぶことがある。
■ビジネスでのファーストペンギンとは
前述の通り、ビジネスシーンにおけるファーストペンギンは、リスクを恐れず、先陣を切って未知の領域に飛び込む人材に対して敬意を込めて使われる。
例えば、新たな分野に挑戦するベンチャー企業の創業者や、新しい価値観・技術に挑むチームなど、起業家や創業者に限らず「人材」に対して幅広く使うことができる。また、海外でも日本と同様にポジティブな意味で使われるのが主流だ。
■ファーストペンギンとなるメリット
ビジネスシーンで、ファーストペンギンになるリスクは大きいが、その分得られるメリットも大きい。
代表的なメリットとして挙げられるのが先行者利益の獲得と、注目度の高さだ。
ファーストペンギンとして新たな分野の事業を始めれば、もちろんライバルは存在しない。顧客をいち早く獲得でき、価格競争も回避できる。また、初めての試みは注目度が高まりやすく、広告に割くコストの軽減も期待できるだろう。
一方、後発者となれば先陣を切ったライバルに対し、どうしたら勝ち抜けるのか、差をつけるにはどうすべきかなど、工夫を凝らさなければならない。
セカンドペンギンとは
ファーストペンギンに続く2羽目のペンギンは「セカンドペンギン」と呼ばれる。セカンドペンギンは、ファーストペンギンによって安全が確認できた後に海へ飛び込むペンギンだ。
ビジネスにおいては、リスクが少ないことを確認してから堅実に行動する起業家や人材を指す。
例えば、ファーストペンギンを参考にしながらリスクの少ない市場へ参入したり、リスクを分析したうえで戦略立てて事業に挑んだりするといった方針を打ち出す人物や企業は、セカンドペンギンと呼ばれる。
■ファーストペンギンとの違い
ファーストペンギンが新たな市場や分野を切り開く人材であるならば、セカンドペンギンはそれらの事業や分野、市場を継続させる重要な人材。
たとえファーストペンギンによって新たな事業が生み出されても、後に続く者がいなければ、市場の発展や成長には繋がりにくい。
価値のあるサービスを生み出したいと考えているのであれば、ファーストペンギンについていく意識も少なからず大切なものと言えるだろう。
■セカンドペンギンとなるメリット
セカンドペンギンが成功するためには、顧客獲得や既存事業・サービスと差別化するための工夫が欠かせない。
しかし、セカンドペンギンはファーストペンギンによって得られた情報を、自身のアイデアに活用できる。また、リスクも事前に確認できるため、ファーストペンギンに比べると失敗のリスクは大きく軽減できるだろう。
ファーストペンギンの言い換え表現
ファーストペンギンの言い換え表現として使える類義語の一つに「パイオニア」がある。
パイオニアは、新しい領域の開拓者、先駆者、あるいは人々が試していないことへ挑戦する人物を指すことから、ファーストペンギンと同様の意味で使われることがある。
パイオニアとファーストペンギンの違い
パイオニアは新規開拓をした人や新規開拓をした企業という意味で使われる。一方で、ファーストペンギンはリスクを負って新しいことにチャレンジする精神があることや、チャレンジした結果はじめて利益を得た人に対して使われる言葉だ。両者には、表す人物像に若干の違いがあることを理解しておこう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部