組織と個人のより良き関係性構築と個人の主体的なキャリア開発を支援する一般社団法人プロティアン・キャリア協会は、ミドルシニアのキャリア開発に興味関心のある人事部門・キャリア支援者・経営陣他334人を対象に、ミドルシニアのキャリア開発の実態調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
本稿では、その内容を一部抜粋してお伝えする。
ミドルシニアの企業支援〜社内・社外施策の両方からのアプローチが必要
全世代の結果をまとめると、希望する企業支援に大きなばらつきは見られなかった。
キャリア研修やワークショップなどの社内支援、リスキリング支援・越境支援・気軽に相談できる社外メンター機会などの社外支援の両方が求められていることがわかる。
その他には、「起業・副業支援」「専門スキルを活かす場」「投資や年金の知識」など、主体的なキャリア形成に関連する要素が挙げられていた。
■ミドルシニアで身に着けたいスキル〜全世代で『専門スキル』を身に付けたい人が最多
「専門スキル」「DXスキル」などプロフェッショナルスキルを選択する人が多いものの、「コミュニケーション力」「マネジメント力」「リーダーシップスキル」など人間力も同時に必要なスキルとして認識されている。
全世代で『専門スキル』を身に付けたいと思う割合が高い傾向ではあるが、年代別に見ると、下記の傾向が判明推した。
・30代:リーダーシップスキルを重視する傾向
職場でのキャリアを本格的に構築する時期であり、30代で昇進するケースも多いのかもしれない。
・40代:各スキルを満遍なく身に付けたい傾向
キャリアの安定、家庭などのプライベートとバランスを取りたい人が多いと予想される。
・50代:DXスキルを重視する傾向
マネジメント力やリーダーシップスキルよりも、セカンドキャリアに向けてリスキリングが進むと予想。
■労働年齢は60〜70歳まで働きたい人が最多
60歳前に早期リタイアを希望する人は少なく、60~70歳まで働きたいと考える割合が高い傾向にあった。これは企業制度などを加味しての回答の可能性も考えられる。
企業の制度などが整っていれば、健康でいる間はいつまでも働きたいと考える割合も高そうだ。
一方、年代別で見てみると30代と40代の多くは、健康な状態が続く限り、長く働く意向が高く、その次に70歳までの勤務も考慮されている。
しかし、50代に入ると体力の低下や制度の影響からか、実際の退職年齢を60歳から70歳に引き上げる人が増えている。65歳以上では、退職のゴールを設定せず、健康を維持する限り働き続けたいという考えが再び増加している。
調査概要
調査概要/ミドルシニアのキャリア開発の実態調査
調査方法/イベント時のアンケート調査
調査期間/2023年8月21日〜2023年9月20日
対象者/イベント応募者、メールマガジンでのアンケート回答者
有効回答/334人
関連情報
https://protean-career.or.jp/archives/seminor-information/dl_20240215
構成/清水眞希