2018年は、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」における「モデル就業規則」上にある副業の禁止に関する規定が削除されたことで、「副業元年」と言われている。
それから6年が経過し、副業を認める企業が増えてきている。経団連が2022年10⽉に公表した「副業・兼業に関するアンケート調査結果」(※1)によると、社員の副業・兼業を認めている企業は約53%で、全体の半数以上に至る。
⼀⽅で社外からの副業・兼業⼈材の受け入れを認めている・認める予定の企業は約30%で、社外への社員の送り出しに比べて慎重な傾向だ。また、副業が認められている企業でも副業実施率は高まらず、企業と働き⼿の意識にズレが生じているとも報じられている。(※2)
こうした実態を受けてスキマバイトサービス「タイミー」を提供するタイミーはこのほど、同サービスに登録している事業者1,091社を対象に、副業に関する意識調査を実施。普段スポットワーカーを受け入れていることで、副業に対する意識や⾏動の特性が見られるのかを探った。
(※1)経団連「副業・兼業に関するアンケート調査結果」(2022年10⽉11⽇)
(※2)株式会社パーソル総合研究所「第三回 副業の実態・意識に関する定量調査」
(2023年10⽉26⽇)
タイミー導⼊事業者の副業の受け入れ状況
副業⼈材の受け入れについて、タイミー導⼊事業者の約70%が「受け入れを承認している」と回答。経団連の「副業・兼業に関するアンケート調査結果」では約30%だった副業⼈材の受け入れだが、タイミーの導⼊事業者は2倍以上の割合で受け入れを認めていることがわかった。
普段からタイミーを通じてスポットワーカーとの接点を持つ事業者は、外部から来る⼈材を受け入れる体制や意識が社内に浸透していることや、⼈材確保の課題に直⾯している企業が多いことから、必要な⼈⼿を確保するために、間⼝を広げて副業⼈材の受け入れも進めていると考えられる。
副業⼈材の受け入れを認める理由は、「不⾜している⼈⼿を補えるから(84.3%)」で最多。また、⼈材確保以外にも、「専⾨スキルを持つ⼈材を受け入れることによる⽣産性の向上(18.8%)」や「プロフェッショナルな⼈材と接点をもつ機会になる(14.9%)」「既存従業員の学習やスキルアップの機会に繋がる(12.8%)」といった理由も選ばれており、専⾨スキルを持つ⼈材の参画による事業貢献や既存従業員の成⻑機会としても、副業⼈材の受け入れに価値を感じていることがわかる。
また、副業⼈材の受け入れを認める企業の従業員数を見ると、100⼈未満の企業(10⼈未満~100⼈未満の合計)が58.9%で過半数を占めるが、1,000⼈以上(16.8%)の企業も⼀定数いることがわかる。