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「私用のため」は、有給休暇を申請する際などに何気なく使われている。しかし、本当に有給休暇の理由として使用しても良いフレーズなのか、疑問に感じている人も多いのではないだろうか。
本記事では「私用のため」の正しい意味や使い方について、わかりやすく解説する。例文や「私用」が使えない場面も紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。
「私用のため」の意味と使い方
「私用」とは、個人的・プライベートな用事や事情のこと。ビジネスシーンにおいては、仕事に関係する事柄以外の理由はすべて「私用」と考えて良いだろう。
詳細な事情を明かさずに理由付けができることから、休暇の取得やスケジュール調整などの場面で使われることが多い。
なお、「私用のため」を「私用の為」と表記する人もいるが、ここで使われる「ため」は原因や理由を指す形式名詞となることから、ひらがなを使うのが一般的だ。
「私用」の具体的な使い方としては、以下のような例が挙げられる。
■個人事情で会社を休む理由として使う
会社を休む必要があるとき、そのほとんどが個人的な事情が理由となるだろう。このため、会社を休みたいことを伝える場合は、「私用のため」を理由として使用するのが基本だ。
理由の詳細を伝える義務はないため、具体的な理由を聞かれた際は差し支えない範囲で伝えれば問題ない。
■有給休暇申請や社内連絡で使う
社内連絡でスケジュール調整が必要となった場合や、有給休暇を申請する際にも「私用のため」を使用する。
特に有給休暇は雇用された労働者に与えられた権利であり、企業にとっては取り組む義務があることから、有給休暇取得の理由をあえて伝える必要はない。
もしも「私用のため」を理由として使いにくい場合は、「通院のため」「家庭内の事情により」など、簡単な用事や事情に言い換えるのも良いだろう。
また、社内のメールでやり取りをする際にも「私用のためこの日は難しいです」「私用のため有給休暇を取得します」などの書き方で問題ない。
「私用」の利用がダメなケースはあるのか
基本的には、仕事に関係する事情以外はすべて「私用」として問題はないが、気をつけたい場面もある。特に当日の遅刻や欠勤、社外連絡では「私用のため」という言い方は避けるのが良いだろう。
■当日に遅刻や早退する時の連絡は?
当日になって急遽遅刻をしてしまった場合や、早退を申し出る時に「私用のため」と伝えるのは違和感がある。このような場面では、できるだけ具体的な事情を伝えるのがマナーといえるだろう。
体調不良や交通機関の遅延など、やむを得ない事情がある場合は、なおさら理由を正確に伝えることが大切だ。相手に納得してもらうためにも、急な遅刻や早退、欠勤、欠席の場面では具体的な理由を伝えよう。
■社外連絡では言い換えるのがベスト
社外連絡では「私用のため」を使用するとややラフな印象を与えてしまう可能性がある。
このため、社外連絡で「私用のため」を使用したい場合は「所用により」「私事で大変恐縮ですが」などと言い換えるのがおすすめ。例えば取引先とのスケジュール調整が必要な場面で言い換えると、気持ちの良いやり取りができるだろう。
「私用のため」を使った例文
「私用のため」を使った例文をいくつか紹介する。
・有給休暇を申請したい時
・社内へ連絡したい時
・学校に休みを伝えたい時
・英語で伝えたい時
今回はこれら4つのパターンを用意しているので参考にしてみよう。
■有給休暇を申請したい時
「お疲れさまです。〇〇です。
〇月〇日は、私用のため有給休暇を取得します。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします」
有給休暇を申請する際は「私用のため」と記載する。具体的な理由を述べる必要はないが、もしも聞かれた場合は虚偽の申告にならない範囲で簡単に伝えよう。
■社内へ連絡したい時
「来月の〇日は、私用のためお休みさせていただくこととなりました。
つきましては、チェックが必要な書類があれば〇日までにご連絡をいただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします」
社内へのメールでも「私用のため」を使用して問題ない。あくまでも例文なので、相手との距離感によって「私用のため」以外の箇所は柔軟に変更してほしい。
また「私用のため」の前に「申し訳ないのですが」「お忙しい中恐れ入りますが」などの一言を添え、恐縮する気持ちを述べるのも良いだろう。
■学校に休みを伝えたい時
「いつもお世話になっております。
〇月〇日(〇曜日)ですが、私用により欠席させていただきます。
お手数をお掛けしますが、よろしくお願いします」
例えば小学校や幼稚園の連絡帳でも「私用」は使える。ただし、担任教師の考え方などによっては具体的な理由を聞かれる可能性もあるだろう。
また、具体的な理由を聞かれた際に嘘を伝えると、子供も含めトラブルに発展する可能性もあるため注意したい。
■英語で伝えたい時
・I would like to take tomorrow off for personal reasons.
(明日、個人的な理由で休みたいです)
英語では「personal (個人的な)」と「reasons(理由)」の単語を組み合わせることで「個人的な理由」つまり「私用」の意味と同じになる。
このほかにも「Personal leave」と表記すると「個人的な休暇」として使えるため参考にしてほしい。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部