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ビジネスシーンで使われる「ハレーション」という言葉。実は、業種や使用シーンによって違ったニュアンスで使われていることは意外と知られていないかもしれない。そこで本記事では「ハレーション」の言葉の意味を、業種ごとに紹介する。ハレーションの類語や対義語についてもチェックしておこう。
ハレーションとは?
ハレーションは、もともとはカメラ業界で使われる専門用語。撮影時に逆光によって強い光がレンズに入り、白飛びや濁りが生じて被写体が不鮮明に写ることを意味する。
そこから派生し、最近では他に悪影響を及ぼすこと全般を意味する言葉としてさまざまな業界で使用されている。
業種ごとのハレーションの意味
他に悪影響を及ぼすことを意味する言葉として、幅広い業界で使われているハレーション。業種ごとに意味が異なるため注意が必要だ。ここからは業界別にハレーションの意味を見ていこう。
■ビジネスシーン
一般的なビジネスシーンでハレーションが使用される場合、一つのミスやトラブルに対して周囲に悪影響を及ぼすことを意味する。
例えば、納期が遅れるトラブルが発生した際には、クライアントへの謝罪・連絡など本来は必要なかった工数が発生する。このように一つのミスやトラブルが周囲へ悪影響を及ぼすことを「ハレーション」と言う。
【例文】
「納品遅れによるハレーションの影響で、今日も残業になりそうだ」
「採用の際、ハレーションを起こしそうな人には注意しよう」
■デザイン業界
デザイン業界におけるハレーションは、明るく鮮やかな色を組み合わせることによって、見る人に不快感を与えることを指す。
例えば、明るく鮮やかな青と赤の線を交互に並べると、目がチカチカしてしまい不快に感じるだろう。
この状態をデザインの業種では「ハレーション」と呼ぶ。
【例文】
「蛍光色を多用しているため、ハレーションを起こす」
「ハレーションを起こしているため、視聴者は不快感を覚えるだろう」
■医療業界
レントゲンなどの放射線を用いた検査では、体内にボルトなどが入っていると、画像内に白く反射して写ることがある。このように、画像検査を行った際に金属が反射を起こして白く写る現象を医療用語でハレーションという。
【例文】
「手術した時に、足にボルトを入れているから、ハレーションに気をつけて」
「銀歯があるからレントゲンの画像でハレーションが起きている」
■美容業界
美容業界では、パーマや縮毛矯正後に髪の毛がチリチリになってしまうことをハレーションと呼ぶ。このようなハレーションは、パーマをかける際の熱が強すぎたり、縮毛矯正時の薬剤調合をミスしたりするなど、髪の毛に多くの負荷をかけた場合に起きる。
【例文】
「パーマをかける時間が長すぎて、ハレーションを起こした」
「縮毛矯正をしたが、ハレーションも起きずに綺麗になった」
ハレーションの英語表現
ハレーションは英語で“halation”と表記する。
なお、英語の“halation”は、カメラ撮影時に発生する現象のみを指して使用されるため、ビジネス用語として使っても意味は通じない。悪影響が広がることを表すためにハレーションを使う場合は、悪影響を意味する“bad influence”を使うのが良いだろう。