キャンプ用品の開発・販売を行うスノーピークの業績に急ブレーキがかかりました。2023年12月期の純利益は前期比99.9%減の100万円。2割近い大幅な減収に見舞われています。
新型コロナウイルス感染拡大で一大ブームを巻き起こしたキャンプですが、そこから終焉に向かうスピードはあまりにも速く、スノーピークはそれを予測しきれなかったように見えます。
キャンプブームの終わりは明らかか
2023年に入ってキャンプブームは急速に下火に
スノーピークの2023年12月期の売上高は、前期比16.4%減の257億2,800万円でした。営業利益は同74.3%減の9億4,300万円で、営業利益率は3.7%。2022年12月期と比較して8.2ポイントも低下しています。
※決算短信より筆者作成
エネルギー高、資材高の影響が続いていますが、スノーピークの原価率は上がっていません。むしろ下がっています。2023年12月期の原価率は41.1%。2022年12月期は45.3%、2021年12月期は45.0%でした。
上がっているのは販管費率。2023年12月期は55.3%。2022年12月期は42.7%でした。12.6ポイントも上昇しています。
スノーピークの販管費の2割は従業員の給与が占めています。人件費は1年で56億2,900万円から、59億9,900万円へと6.6%増加しています。2割近い減収は予想外だったでしょう。
主力市場の国内での売上高の伸び悩みは、2023年に入って鮮明になりました。
2022年のスノーピーク国内の月次平均売上高は、前年比113.8%でした。2023年は81.2%まで下がっています。
※決算説明資料より筆者作成
スノーピークの2023年12月期の「商品及び製品」は99億2,600万円計上されています。これは会社が販売目的で一時的に保管しているもので、在庫と言い換えることができます。2022年12月期は60億5,700万円でした。1.6倍に増加しています。
総資産に占める在庫の割合は、19.7%から28.6%に増加。商品が売れずに在庫が滞留している様子が見て取れます。