目次
「会議」や「集会」を意味する表現の一つに「コンベンション」がある。ビジネスで使われることが多い言葉ではあるものの、正しい言葉の意味を理解せずになんとなく使っている人も少なくないはず。
そこで本記事では、「コンベンション」の正しい意味と使い方、カンファレンスやミーティングとの違いを解説する。コンベンションを行なうメリットや運営プロセスも、この機会に確認しておこう。
「コンベンション」とは
まずは「コンベンション」の意味と使用シーンについて解説する。誤った言葉の使い方をしないよう、似た意味を持つ「カンファレンス」や「ミーティング」との違いも確認してほしい。
■意味
「コンベンション」は、慣習やしきたり、会議や大会参加者を表す英単語“convention”に由来するビジネス用語。
一般的には2カ国以上の人が集まって行なわれる、国際的な意義を持つ大規模な会議や集会のことを意味する。また、特定の目的を持つ人たちが集う博覧会や展示会などを指す場合もある。
■使い方と例文
国際的で大規模な会議や特定の目的を持つ人たちが集まる会を指すコンベンションは、イベント企画や運営業務のなかで使われることが多い。
【例文】
「東京都でコンベンションが行われる予定だ」
「今度、弊社でコンベンションを運営するのでサポートしてほしい」
「コンベンションの企画のアイデアがなかなか湧かない」
「今回のコンベンションは大成功だった」
■「カンファレンス」や「ミーティング」との違い
コンベンションと混同されやすい言葉の代表格が、「カンファレンス」と「ミーティング」だ。
カンファレンス(conference)は小規模な国際会議、ミーティングは社内やクライアントと行なう小規模な集会を指す。
また、議会を指すコングレス(congress)や主要国首脳会議を表すサミット(summit)もコンベンションと同じ意味で使われやすいため、誤った使い方をしないよう気をつけよう。
コンベンションを行うメリットとは
次に、コンベンションを行なうメリットを紹介する。コンベンションを企画する側・提案される側になる可能性がある場合は、チェックしておこう。
1. 知名度の向上
コンベンションには、国内外から特定分野の知識を持つ関係者が大勢集う。多くの人に自社や業界のことを知ってもらえるため、必然的に会社の知名度が向上する。
2. 新たなビジネスチャンスや人脈が生まれる
さまざまな国から知見がある人が集まると、新たなビジネスチャンスが発掘できたり、思いがけない人脈が生まれたりする可能性がある。その結果、自社の強みを生かした新商品やサービスの開発、新しいクライアントとの商品やイベントの企画など、新たな事業展開につながることもある。
3. 開催地域へ経済効果が与えられる
コンベンションを開催すると、世界中から参加者や運営関係者が開催地に集まる。その地域の宿泊や飲食、観光サービスなどを利用する人数が増加することによる経済効果が見込まれるため、地域全体への貢献が期待できる。自治体がコンベンションを能動的に誘致するパターンも多い。
コンベンションの運営プロセスとは
最後に、コンベンションの運営プロセスを紹介する。今後、コンベンションの運営に携わる可能性がある場合は、基本的な流れを押さえておこう。
1. イベントの企画・開催概要を決める
まず、コンベンションを開催する目的やコンベンションの運営・企画メンバーを決めよう。
メンバーを決めたら、運営体制や企画内容を検討し、開催に必要な予算を概算しよう。全体予算から、会場費用や広報活動に掛けられる費用も算出すれば、後に予算が不足するリスクが低くなる。
予算を概算したら、参加者のターゲット層や国籍を意識しながら開催日時と会場を決めよう。
2. イベントを周知する
開催概要が確定したら、コンベンションに参加してほしい関係者に知らせよう。フライヤーの配布、SNS上での情報発信によって、継続的にイベントを告知するのが効果的だ。
3. 当日に必要な物・人員を準備する
周知をしたら、配布物の作成やデモ商品の開発をして、当日の準備に備えよう。コンベンションの開催主旨やテーマが伝わる配布物、効果やメリットが明確にわかる資料を作成したい。
また、当日の運営に向けて、求人サイトに広告を載せたり、関係者に声をかけたりするなどして、必要な人員を確保しておこう。
4. リハーサルを行う
当日に必要な物や人員の準備が整ったら、本番と同じ流れでリハーサルを実施しよう。リハーサルを行うと、関係者全員で当日の進行を把握できるだけでなく、課題点の改善にも取り組めるため、本番のコンベンションをスムーズに遂行できる。
5. コンベンションを開催する
リハーサルを終えて課題点を改善できたら、いよいよコンベンションの開催だ。リハーサル時の進行内容を意識して、会議を運営しよう。 なお、コンベンションのような大規模な会議の場合は、イベント企画会社に運営を支援してもらうケースもある。
コンベンション終了後は、主催団体の公式Webサイトでイベント終了を告知し、参加者にお礼状を送って、次回の来場者増加につなげよう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部