ITフリーランスのマッチングサービス「フリエン」「チョクフリ」を展開するアン・コンサルティングは、企業から業務を請け負うフリーランス300名を対象に、インボイス制度の理解度などに関する調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
インボイス制度を「理解している」フリーランスは57.0%
企業から業務を請け負うフリーランスにインボイス制度を知っているか聞いたところ、「内容まで知っており理解している」と回答した人は57.0%だった。
ただし、施行済みの制度にもかかわらず約4割が「聞いたことはあるが説明できない」と回答しており、今後も制度に関して十分な理解を促進させることが必要だと考えられる。
■インボイス制度の影響で36.7%が働き方の見直しを検討する可能性
インボイス制度の影響で、廃業もしくは雇用形態の変更を検討したか聞いたところ、55.0%と半数以上が「検討しない」と回答した。
一方、「検討した/検討している」17.7%、「まだ検討していないが、今後検討するかもしれない」19.0%と、合わせて36.7%が働き方の見直しを検討する可能性があることもわかった。
フリーランスの45.9%が「登録していない(免税事業者)」
「インボイス制度について知っている」と回答した人に課税事業者登録の状況について聞いたところ、「登録した(課税事業者)」が27.6%、「まだ登録していないが、これから登録する予定(課税事業者予定)」が4.1%と、合わせて31.7%が課税事業者登録をしている(予定)ことが判明した。
しかし「登録していない(免税事業者)」が45.9%もおり、登録状況は依然低いことが推察できる。
■登録者の75.0%が制度施行前までに登録を済ませていた
課税事業者登録の状況について「登録した(課税事業者)」「まだ登録していないが、これから登録する予定(課税事業者予定)」と回答した人に課税事業者登録をした(する予定の)時期について聞いたところ、「2022年9月以前」25.0%、「2022年10月~2023年3月」18.5%、「2023年4月~9月」31.5%と、合わせて75.0%が、インボイス制度施行前までに課税事業者登録を済ませていた。
特に「2023年4月~9月」の登録者が約3割ということで、施行開始前に駆け足で登録を決めた人も多いようだ。
■登録理由は「取引先に依頼されたため」が41.3%
課税事業者登録の状況について「登録した(課税事業者)」「まだ登録していないが、これから登録する予定(課税事業者予定)」と回答した人に登録をした(する予定の)理由について聞いたところ、41.3%と最も多い回答になったのが「取引先に依頼されたため」。
次いで「個人事業主として自身の収支を把握しておきたいため」34.8%、「年収に影響するため」14.1%となっている。
また「契約解除・または見直しをされそうになったため」8.7%、「取引先から契約内容について交渉されたため」7.6%と数は少ないが、契約の見直しや交渉などを求められている実態も明らかになった。